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須賀神社(Suga Jinja)

須賀神社(四谷)完全ガイド:『君の名は。』の聖地、歴史、祭神、ご利益、アクセスを徹底解説

須賀神社(すがじんじゃ)は、東京都新宿区四谷に鎮座する、江戸時代初期からこの地の守り神(総鎮守)として厚い信仰を集めてきた神社です。主祭神として須佐之男命(スサノオノミコト)を祀り、厄除けや縁結びのご利益で知られています。

近年では、世界的に大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』のキービジュアルやラストシーンで描かれた「赤い手すりの階段(男坂)」がある場所として、国内外から多くのファンが訪れる「聖地」としても絶大な人気を誇ります。

歴史ある神社の荘厳な雰囲気と、映画の世界観が交差するユニークな場所であり、四谷の歴史散策を楽しむ方から、映画の感動を追体験したい方まで、すべての人におすすめできるパワースポットです。

歴史と由緒 (History and Origins)

須賀神社の歴史は、江戸時代初期の寛永11年(1634年)に遡ります。

元々、この地には赤坂の一ツ木村(現在の赤坂見附付近)にあった稲荷神社(御祭神:宇迦能御魂命)が、江戸城の外堀普請(工事)のために現在地へ移転されました。これが須賀神社の前身です。

その後、寛永14年(1637年)、日本橋大伝馬町にあった「牛頭天王社(ごずてんのうしゃ)」の御分霊(御祭神:須佐之男命)が合祀され、「稲荷天王合社(いなりてんのうごうしゃ)」または「四谷天王社」として、四谷十八ヵ町の総鎮守と定められました。

明治元年(1868年)の神仏分離令により、「牛頭天王」は日本神話の「須佐之男命」と同一神(本地垂迹説)とされていたことから、社名を「須賀神社」と改めました。「須賀」とは、須佐之男命が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した後、「吾が心、清々(すがすが)し」と語り、出雲の国に宮殿を建てた「須賀」の地名に由来します。

第二次世界大戦の空襲で社殿の多くを焼失しましたが、戦後の復興を経て、昭和27年(1952年)に現在の社殿が再建され、今日に至るまで四谷の地を守り続けています。

祀られている神様(祭神) (Enshrined Deities – Saijin)

須賀神社には、二柱の神様が主祭神として祀られています。

  • 須佐之男命(スサノオノミコト)
    • 日本神話で最も有名な神の一柱。天照大御神の弟神であり、八岐大蛇を退治した英雄神です。神仏習合時代は「牛頭天王」として知られ、疫病を祓う強力な神として信仰されました。
    • 主なご利益: 厄除け病気平癒開運招福縁結び(妻となる櫛名田比売命を救った神話から)
  • 宇迦能御魂命(ウカノミタマノミコト)
    • 一般に「お稲荷さん」として親しまれる、穀物・食物を司る神様です。須賀神社の創建のきっかけとなった神様でもあります。
    • 主なご利益: 五穀豊穣商売繁盛家内安全

言い伝えと伝説 (Legends and Folklore)

須賀神社は、江戸時代の「四谷怪談」で知られるお岩さんゆかりの地・四谷左門町に近いことから、様々な俗説が生まれました。しかし、須賀神社自体は怪談とは直接の関係はなく、むしろ江戸時代から続く「天王祭(てんのうまつり)」(現在の例大祭)が有名でした。

この祭りは江戸でも有数の賑やかな祭礼で、特に神輿を担ぐ際の威勢の良い掛け声や、露店の多さで知られていました。現在も6月の例大祭は四谷の街を挙げて行われ、江戸から続く活気を今に伝えています。

見どころと境内案内 (Highlights and Precinct Guide)

  • 男坂(おとこざか)
    神社へ続く急な石段。何といっても須賀神社最大の見どころであり、『君の名は。』で主人公二人が再会するラストシーンの舞台となった場所です。階段の上から振り返ると、映画で描かれた通りの新宿のビル群を望む風景が広がります。参拝の前後に、ぜひこの景色を体感してください。

    • ※この階段の脇には、緩やかな「女坂(おんなざか)」もあります。
  • 社殿(拝殿・本殿)
    戦災で焼失後、昭和27年(1952年)に再建された鉄筋コンクリート造の社殿です。金色に輝く装飾と鮮やかな朱色が特徴的で、荘厳な雰囲気を醸し出しています。
  • 三十六歌仙絵(新宿区指定有形文化財)
    拝殿の内部には、天保7年(1836年)に奉納された「三十六歌仙絵」の額が掲げられています。これは、江戸後期の絵師・大岡雲峰(おおおか うんぽう)らによるもので、三十六人の歌人の肖像が描かれた貴重な文化財です。

    • ※通常、拝殿内への立ち入りはできませんが、ガラス越しに一部を拝むことができます。
  • 天白稲荷神社(てんぱくいなりじんじゃ)
    境内にある摂社で、須賀神社の創建の由緒(稲荷神社)を今に伝えています。小さな社ですが、江戸時代からこの地にあったとされ、特に「病気平癒」や「火難除け」にご利益があると信仰されています。
  • 御朱印・お守り
    • 社務所では、須賀神社の御朱印やお守りを受けることができます。特に『君の名は。』の聖地巡礼の記念として、多くの方が御朱印を受けていきます。

アクセス情報 (Access Information)

  • 住所: 〒160-0018 東京都新宿区須賀町5番地6
  • 公共交通機関:
    • 東京メトロ 丸ノ内線「四谷三丁目」駅(3番出口)より徒歩約7分
    • JR中央・総武線「信濃町」駅 より徒歩約10分
    • JR中央・総武線 / 東京メトロ 丸ノ内線・南北線「四ツ谷」駅 より徒歩約12分
  • 車でのアクセス:
    • 首都高速4号新宿線「外苑」出口から約5分。
    • 駐車場: 参拝者用の駐車場(数台)がありますが、道幅が非常に狭く、駐車台数も限られるため、公共交通機関の利用を強く推奨します。

周辺の観光・食事処 (Nearby Attractions and Dining)

須賀神社のある四谷・荒木町エリアは、歴史的な坂道や風情ある街並みが残るエリアです。

  1. 新宿御苑
    日本を代表する名園の一つ。須賀神社からは少し歩きますが(信濃町駅方面へ徒歩約10分)、広大な敷地に日本庭園、イギリス風景式庭園、フランス式整形庭園があり、四季折々の美しい自然を楽しめます。
  2. 迎賓館赤坂離宮
    明治時代に建設されたネオ・バロック様式の壮麗な宮殿建築。現在は国賓の接遇に使われますが、一般公開も行われています(要事前確認)。四ツ谷駅から徒歩すぐです。
  3. たいやき わかば
    四ツ谷駅近くにある、東京「たい焼き御三家」の一つに数えられる有名店。皮が薄く、尻尾まであんこがぎっしり詰まった「一丁焼き」のたい焼きは、参拝後の食べ歩きに最適です。

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