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水天宮(Suitengu)
東京・安産祈願の代名詞。歴史、子宝いぬ、アクセスを徹底解説
東京都中央区日本橋、安産祈願の名所として知られる水天宮は、妊娠5ヶ月目の「戌(いぬ)の日」に安産を願って訪れる参拝者で連日賑わう神社です。
福岡県久留米市にある久留米水天宮の分社として江戸時代に創建されましたが、江戸庶民の間で爆発的な信仰を集め、「情け有馬の水天宮」という流行語が生まれるほど愛されました。 2016年に建て替えられた社殿は、免震構造を備えた近代的な造りとなっており、妊婦さんや小さなお子様連れに配慮したバリアフリー設計や、快適な待合室が完備されているのも大きな特徴です。伝統的な信仰と現代的な優しさが融合した、都市型神社のモデルとも言える聖地です。
歴史と由緒 (History and Origins)
東京の水天宮の歴史は、江戸時代の文政元年(1818年)に始まります。 当時、久留米藩(現在の福岡県)の第9代藩主・有馬頼徳(ありまよりのり)公が、参勤交代の際に江戸の藩邸(現在の港区赤羽橋付近)に、久留米の総本宮から御分霊を勧請(かんじょう)したのが始まりです。
当初は藩邸内にあり、一般の人々は参拝できませんでしたが、塀越しにお賽銭を投げる人が後を絶たなかったため、毎月5のつく日に限り一般参拝を許可しました。これが「情け有馬の水天宮」と呼ばれ、大流行しました。 その後、明治時代に現在の日本橋蠣殻町(かきがらちょう)へ移転。関東大震災や戦災を乗り越え、現在はコンクリート造りの近代的で安全な社殿へと生まれ変わっています。
祀られている神様(祭神) (Enshrined Deities – Saijin)
水天宮では、以下の四柱の神様をお祀りしています。
- 天御中主大神(アメノミナカヌシノオオカミ)
- 神格: 日本神話で最初に現れた神様であり、宇宙の根源を司る最高神。安産や子授けにおいて絶大な霊力を持つとされます。
- 安徳天皇(アントクテンノウ)
- 建礼門院(ケンレイモンイン / 安徳天皇の母)
- 二位の尼(ニイノアマ / 安徳天皇の祖母)
- 神格: 平家ゆかりの方々です。壇ノ浦の戦いで入水されたことから、水難除けや、子供を守る神として信仰されています。
【主なご利益】 最も有名なのは「安産祈願」と「子授け(子宝)」です。また、水にまつわる神様であることから、「水難除け」や、飲食業・漁業関係者からの信仰も篤く、さらに子供の無事な成長を願う「初宮詣」「七五三」の参拝者も多く訪れます。
言い伝えと伝説 (Legends and Folklore)
「鈴の緒(すずのお)と腹帯」 昔、水天宮の社殿に下がっていた「鈴の緒(鈴を鳴らすための太い縄)」が古くなった際、人々がそれを譲り受けて腹帯(はらおび)として巻いたところ、驚くほど安産だったという言い伝えがあります。 これが現在授与されている「御子守帯(みすずおび)」の起源です。水天宮の帯は、良質な晒(さらし)木綿で作られており、お守りとしての力はもちろん、実用的な腹帯としても優れています。
「なぜ戌の日(いぬのひ)なのか」 犬は一度にたくさんの子を産み、しかもお産が軽いことから、古くから「安産の守り神」とされてきました。そのため、12日に一度巡ってくる「戌の日」に神社へお参りし、腹帯を巻く風習が定着しました。特に水天宮の戌の日は、入場制限がかかることもあるほどの賑わいを見せます。
見どころと境内案内 (Highlights and Precinct Guide)
- 新社殿と回廊
- 白木を基調とした美しい社殿は、現代建築の粋を集めた免震構造です。雨の日でも濡れずに参拝できる回廊や、広々とした待合スペースがあり、体調の変化しやすい妊婦さんへの配慮が行き届いています。
- 子宝いぬ(こだからいぬ)
- 境内で最も人気のあるブロンズ像。母犬が子犬を見守る姿をしています。周囲にある自分の干支(えと)の玉を撫でると、安産や子授け、子供の成長にご利益があると言われています。記念撮影の定番スポットでもあります。
- 安産子育河童(あんざんこそだてカッパ)
- 水天宮らしく、水を司る河童の像もあります。親子の河童が寄り添う愛らしい姿で、足元や肩、胸に赤ちゃん河童がしがみついています。
- 寶生辨財天(ほうしょうべんざいてん)
- 境内に祀られている弁財天。芸事や学業、金運の神様として知られています。毎月5日と巳の日には扉が開かれ、御神像を拝観することができます。
アクセス情報 (Access Information)
東京メトロの駅から直結・至近の場所にあり、アクセスは非常に良好です。
住所: 〒103-0014 東京都中央区日本橋蠣殻町2-4-1
公共交通機関:
- 東京メトロ半蔵門線「水天宮前駅」(5番出口)より徒歩1分。
- 地下通路から地上に出ると、目の前が水天宮です。
- 東京メトロ日比谷線「人形町駅」(A1出口)より徒歩6分。
- 都営地下鉄浅草線「人形町駅」(A3出口)より徒歩8分。
車でのアクセス・駐車場:
- 首都高速道路 箱崎インターチェンジすぐ。
- 駐車場あり(有料)。 神社の地下に最大40台収容の駐車場があります。
- エレベーターでそのまま境内へ上がれるため、妊婦さんやベビーカー利用の方に非常に便利です。
注意: 戌の日や土日は満車になることが多いため、周辺の「ロイヤルパークホテル」の駐車場やコインパーキングの利用も検討してください。
周辺の観光・食事処 (Nearby Attractions and Dining)
水天宮のある日本橋人形町エリアは、江戸情緒が残る粋な街です。
- 人形町商店街・甘酒横丁(あまざけよこちょう)
- 神社から徒歩約5分。老舗の和菓子店や豆腐店、工芸品店が並ぶ風情ある通りです。安産祈願の帰りに、甘酒や鯛焼きを楽しむのが定番コースです。
- 小網神社(こあみじんじゃ)
- 徒歩約10分。強運厄除けの神様として近年大人気のパワースポット。「東京銭洗い弁天」としても知られています。
- 今半(いまはん)の老舗グルメ
- すき焼き・しゃぶしゃぶの「人形町今半」本店など、お祝いの席にふさわしい名店が多く点在しています。お宮参りの後の会食(直会)にもよく利用されます。
- 人形焼(にんぎょうやき)の名店
- 人形町発祥の「人形焼」。「重盛永信堂(しげもりえいしんどう)」(水天宮の交差点角にあります)や「板倉屋」など、七福神の顔をかたどったカステラ生地のお菓子は、東京土産としても喜ばれます。


