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三嶋大社(Mishima Taisha)
源頼朝ゆかりの伊豆国一宮。歴史、祭神、ご利益、アクセスを徹底解説
静岡県三島市に鎮座する三嶋大社(みしまたいしゃ)は、伊豆国で最も格式が高い「一宮(いちのみや)」として、古くから深い信仰を集めてきた神社です。創建は不明なほど古い歴史を持ち、奈良・平安時代の書物にもその名が記されています。
特に有名なのは、伊豆に流されていた源頼朝が源氏再興を深く祈願し、見事に旗挙げを成功させたという逸話です。このことから、強力な勝負運・必勝祈願のパワースポットとして全国に知られています。
主祭神は商売繁盛の神様「恵比寿様」としても知られる福徳の神であり、勝負運だけでなく、事業繁栄や家内安全など、総合的なご利益を授かることができる場所として、年間を通して多くの参拝者が訪れます。
歴史と由緒 (History and Origins)
三嶋大社の創建年代は定かではありませんが、その歴史は極めて古く、奈良・平安時代の歴史書『続日本後紀』などにも記述が見られます。古くから伊豆半島の中心的な神社として崇敬され、伊豆国一宮の格式を誇りました。
中世に入ると、武家政権を樹立する上で決定的な役割を果たします。1159年の平治の乱に敗れ、伊豆国に流された源頼朝は、三嶋大社を篤く崇敬し、源氏再興の「百日詣で」を行ったと伝えられています。1180年(治承4年)、頼朝は三嶋大社の祭礼の日(8月17日)を選んで旗挙げを決行し、その後、鎌倉幕府の樹立という大願を成就させました。
この勝利により、頼朝をはじめとする鎌倉幕府の武将たちから絶大な信仰を集め、伊豆国における最高神階の神社として、また「武門の神」としてその地位を不動のものとしました。江戸時代には東海道の宿場町・三島の発展と共に、庶民の信仰も広く集め、現在に至るまで「三島の明神様」として親しまれています。
祀られている神様(祭神) (Enshrined Deities – Saijin)
三嶋大社では、以下の二柱の神様を総称して「三嶋大明神(みしまだいみょうじん)」としてお祀りしています。
- 大山祇命(おおやまつみのみこと)
- 日本神話に登場する山の神であり、農林水産や産業全般を守護する神様です。富士山(浅間大社)の祭神・木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)の父神でもあります。広大な神徳を持ち、物事の基盤を固めるご利益があるとされています。
- 積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)
- 一般的に「恵比寿様(えびすさま)」として広く知られる神様です。出雲大社の大国主神(おおくにぬしのかみ)の御子神であり、福徳の神、商売繁盛の神として厚く信仰されています。
【主なご利益】
商売繁盛、家内安全、厄除け、交通安全、そして源頼朝の故事にちなんだ必勝祈願、勝負運上昇など、多岐にわたるご神徳をいただけます。
言い伝えと伝説 (Legends and Folklore)
三嶋大社にまつわる最も有名な伝説は、やはり源頼朝の旗挙げ祈願です。
伊豆の蛭ヶ小島(ひるがこじま)で流人生活を送っていた頼朝は、平家打倒と源氏再興を三嶋大明神に日々祈願していました。頼朝の妻・北条政子も夫と共に熱心に参拝したとされます。
旗挙げを決意した頼朝は、その決行日を三嶋大社の最も重要なお祭りの日である8月17日と定めました。これは、神様の最大の御加護を得ようとしたためと言われています。結果、頼朝軍は初戦を勝利で飾り、その後の長い戦いを経て天下を統一しました。
境内には、頼朝と政子が旗挙げの際に腰掛けたとされる「腰掛け石」が今も残されており、二人の天下取りの物語に思いを馳せることができます。
見どころと境内案内 (Highlights and Precinct Guide)
三嶋大社は広大な境内を持ち、歴史的・文化的に価値の高い見どころが数多く存在します。
- 総門・神門
- 重厚な総門をくぐり、桜並木の参道を進むと、格調高い神門が迎えてくれます。
- 拝殿・本殿(国の重要文化財)
- 現在の社殿は江戸時代末期に再建されたもので、その精緻な彫刻と荘厳な建築様式は「三嶋造」とも称されます。拝殿、幣殿、本殿が連なる権現造(ごんげんづくり)の傑作であり、国の重要文化財に指定されています。
- 天然記念物「三嶋大社の金木犀(きんもくせい)」
- 境内の中央にそびえる御神木で、樹齢は推定1200年を超えるとされる日本最古級の金木犀です。国の天然記念物に指定されており、例年9月頃には甘い香りを境内に満たします。
- 宝物館
- 北条政子が奉納したと伝わる国宝「梅蒔絵手箱(うめまきえてばこ)」をはじめ、重要文化財の刀剣など、三嶋大社の長い歴史を物語る貴重な宝物が収蔵・展示されています。(※入館料別途)
- 厳島神社(いつくしまじんじゃ)
- 神池に浮かぶ朱塗りの美しいお社。北条政子が勧請(かんじょう)したと伝わり、女性の守護神として信仰されています。
- 神鹿園(しんろくえん)
- 古来より神様の使いとされる鹿が飼育されており、参拝者の憩いの場となっています。
- 御朱印・お守り
- 御朱印は社殿横の授与所でいただけます。また、御神木である金木犀の香りを再現した「香り守」や、恵比寿様にちなんだ「めでたい守」などが人気です。
アクセス情報 (Access Information)
- 住所: 〒411-0035 静岡県三島市大宮町2-1-5
- 公共交通機関:
- JR東海道新幹線・東海道本線「三島駅」南口より 徒歩約15分
- 伊豆箱根鉄道「三島田町駅」より 徒歩約10分
- 車でのアクセス:
- 東名高速道路「沼津IC」より 約15分~20分
- 新東名高速道路「長泉沼津IC」より 約15分~20分
- 駐車場:
- 三嶋大社 参拝者駐車場(大鳥居すぐ横)
- 料金:有料(1時間 200円 ※2025年現在)
- 収容台数:乗用車 約55台
- ご注意: 正月期間(12/31~1/3)および例祭期間(8/15~17)は、駐車場が閉鎖されます。周辺のコインパーキングをご利用ください。
周辺の観光・食事処 (Nearby Attractions and Dining)
- 楽寿園(らくじゅえん)
- 三島駅南口すぐにある市立公園。富士山の湧水が美しい小浜池や、明治時代の皇族の別邸(楽寿館)があり、国の天然記念物・名勝に指定されています。
- 源兵衛川(げんべえがわ)
- 楽寿園の小浜池から流れる清流で、水の中の飛び石を歩ける遊歩道が整備されています。「水の都・三島」を象徴するスポットです。
- 三島スカイウォーク
- 三嶋大社から車で約15分。富士山と駿河湾を一望できる、日本最長の歩行者専用吊橋です。絶景を楽しめるアクティビティとして人気です。
- 三島のうなぎ
- 三島は富士山の雪解け水が湧き出す清流の街であり、その水で締めた「うなぎ」は絶品です。大社周辺や三島広小路駅周辺には「桜家」「すみの坊」などの老舗名店が軒を連ね、ランチタイムには行列ができることもあります。


