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多賀大社(Taga Taisha)
「お伊勢参らばお多賀へ参れ」親神様が授ける長寿と縁結び
滋賀県湖東エリア、多賀町に鎮座する多賀大社は、地元の人々から親しみを込めて「お多賀さん」と呼ばれています。
この神社の最大の特徴は、伊勢神宮に祀られている天照大神(アマテラスオオミカミ)の「ご両親」にあたる神様をお祀りしていることです。そのため、古くから「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢お多賀の子でござる」という俗謡が歌われ、伊勢参拝のあとに多賀大社へお参りすることが通例とされてきました。 「生命の親神様」として、延命長寿や縁結びを願う参拝者が全国から絶えない、滋賀県第一の大社です。
歴史と由緒 (History and Origins)
多賀大社の歴史は極めて古く、『古事記』にも「伊邪那岐大神は淡海の多賀に坐すなり(イザナギは近江の多賀にいらっしゃいます)」という記述があるほどです。
中世以降は、神仏習合の信仰と共に武家や民衆の間で信仰が広まりました。特に戦国時代、豊臣秀吉が母・大政所(おおまんどころ)の病気平癒を祈願し、寄進を行ったことは有名で、その資金で改修されたと伝わる遺構も境内に残っています。 江戸時代には「多賀講(たがこう)」という信仰組織が全国に組織され、庶民の間に「お多賀参り」が定着しました。
祀られている神様(祭神) (Enshrined Deities – Saijin)
日本神話における「国造り」と「神生み」を行った夫婦神をお祀りしています。
- 伊邪那岐大神(イザナギノオオカミ)
- 伊邪那美大神(イザナミノオオカミ)
この二柱は、日本の国土をはじめ、天照大神(太陽神)、月読命(月の神)、須佐之男命(嵐の神)など、八百万の神々を生み出した「生命の根源」となる神様です。
【主なご利益】 万物を生み出した生命力から、特に「延命長寿」のご利益が最強とされています。また、初めて夫婦の道を拓いた神様であることから、「縁結び」「夫婦円満」「家内安全」のご利益も篤く、結婚式を挙げるカップルも多く見られます。また、「厄除け」の神としても有名です。
言い伝えと伝説 (Legends and Folklore)
「お多賀杓子(おたがじゃくし)とオタマジャクシの語源」 元正天皇が病気になった際、多賀大社の神主が強飯(こわめし)を炊き、シデの木で作った「杓子(しゃくし)」を献上したところ、たちまち病が治ったという伝説があります。 以来、「お多賀杓子」は無病息災のお守りとして知られるようになりました。カエルの子の「オタマジャクシ」という名前は、その形がこの「お多賀杓子」に似ていたことに由来すると言われています。現在も、お守りとして杓子の形をした絵馬などが授与されています。
「寿命石(じゅみょうせき)と重源(ちょうげん)」 鎌倉時代、東大寺の再建を任された僧・重源(ちょうげん)が、高齢を理由に事業の完成を危ぶみ、多賀大社に参籠しました。すると、夢のお告げと共に寿命が20年延び、見事に東大寺再建を果たしたと伝えられています。彼が座り込んだとされる「寿命石」が境内にあり、長寿祈願のスポットとなっています。
見どころと境内案内 (Highlights and Precinct Guide)
- 太閤橋(たいこうばし)
- 境内に入ってすぐの場所にある、急勾配の石造りの反り橋。豊臣秀吉が母の延命を祈願して寄進した米一万石によって築かれたと伝えられています。かなり急なので、渡る際は足元に十分ご注意ください(迂回ルートもあります)。
- 拝殿と本殿
- 荘厳な檜皮葺(ひわだぶき)の社殿。現在の社殿は昭和期に再建されたものですが、大社の名にふさわしい堂々とした佇まいです。
- お多賀杓子の絵馬
- 拝殿周辺には、伝説にちなんだ「しゃもじ型」の絵馬がたくさん奉納されています。
- 寿命石(じゅみょうせき)
- 延命長寿のご利益を象徴する石。祈願料を納めると、白い小石に名前と年齢を書いて奉納し、健康と長生きを祈ることができます。
アクセス情報 (Access Information)
住所: 〒522-0341 滋賀県犬上郡多賀町多賀604
公共交通機関:
- 近江鉄道 多賀線「多賀大社前駅」 下車、徒歩約10分。
- JR彦根駅またはJR米原駅で近江鉄道に乗り換えます。
- 駅からは「絵馬通り」という参道を歩いて向かいます。
車でのアクセス:
- 名神高速道路「彦根IC」より約10分。
- 名神高速道路「多賀スマートIC」(EXPASA多賀に併設)より約5分。
- ※多賀スマートICを利用するのが最も近くて便利です。
駐車場:
- 参拝者用駐車場あり(無料・有料)。
- 神社周辺に町営駐車場やコインパーキングがあります。正月や「万灯祭(8月)」の時期は非常に混雑します。
周辺の観光・食事処 (Nearby Attractions and Dining)
- 糸切餅(いときりもち)
- 多賀大社参拝の定番土産。米粉で作った細長い餅にこし餡を包み、三味線の糸で短く切ったものです。蒙古襲来の際、平和を願って作られたのが始まりとされます。参道にある「多賀や」や「総本家 糸切餅 元祖莚寿堂本舗」などで購入でき、焼きたてを食べられるお店もあります。
- 彦根城(ひこねじょう)
- 車で約15〜20分。国宝の天守を持つ名城。ひこにゃんでもおなじみの人気観光地です。多賀大社とセットで回るのが王道コースです。
- 湖東三山(ことうさんざん)
- 西明寺、金剛輪寺、百済寺の三つの天台宗寺院の総称。紅葉の名所として名高く、多賀大社からも車でアクセスしやすい距離にあります。


