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武蔵一宮氷川神社(Musashiichinomiya-Hikawa Jinja)

2400年の歴史、縁結びのご利益、見どころ、アクセスを徹底解説

さいたま市大宮区に鎮座する「武蔵一宮 氷川神社(むさしいちのみや ひかわじんじゃ)」は、東京・埼玉近郊に約280社ある氷川神社の総本社です。

約2400年以上という非常に長い歴史を持ち、「大いなる宮居」として「大宮」の地名の由来ともなった、日本でも指折りの古社です。主祭神に須佐之男命(すさのおのみこと)と稲田姫命(いなだひめのみこと)の夫婦神、そしてその子孫である大己貴命(おおなむちのみこと)を祀ることから、特に縁結び家庭円満のご利益で篤い信仰を集めています。

日本一とも言われる約2kmの壮大な参道、豊かな緑に包まれた広大な境内、かつての見沼の名残である神池など、その見どころは尽きません。歴史愛好家から、強力なご利益を求める方、心静かな時間を過ごしたい方まで、すべての人々を温かく迎え入れる、武蔵国で最も格式高い神社の一つです。

歴史と由緒 (History and Origins)

氷川神社の創建は、社記によれば今から約2400年以上前、第5代孝昭天皇(こうしょうてんのう)の御代3年4月と伝えられています。

第12代景行天皇の御代には、皇子である日本武尊(やまとたけるのみこと)が東夷鎮定(東国の平定)の際に当社を訪れ、祈願されたとされます。さらに第13代成務天皇の御代、出雲族の兄多毛比命(えたもひのみこと)が初代の武蔵国造(むさしのくにのみやつこ=武蔵国の長官)としてこの地に赴任し、当社を篤く奉斎したことで、武蔵国全体の鎮守として祀られる基盤が築かれました。

社名の「氷川」は、主祭神の須佐之男命が八俣遠呂智(やまたのおろち)を退治した出雲国の「斐伊川(ひいかわ)」に由来するという説が有力であり、出雲との深いつながりを示しています。

中世以降も武家の崇敬篤く、特に江戸時代には徳川幕府の庇護を受けました。近代に入り、明治元年(1868年)に明治天皇が東京へ遷都された際、当社を武蔵国の鎮守・勅祭の社と定め、自らご親祭(天皇陛下自らがお参りされること)されました。明治4年(1871年)には、全国の神社の中でも特に格式高い官幣大社(かんぺいたいしゃ)に列せられ、皇室からも篤い崇敬を受け続けています。

祀られている神様(祭神) (Enshrined Deities – Saijin)

氷川神社では、出雲神話に登場する家族の神々を主祭神としてお祀りしています。

  • 須佐之男命(すさのおのみこと)
  • 天照大御神の弟神。八俣遠呂智を退治した英雄神であり、厄除け、災難除け、武勇の神格を持ちます。
  • 稲田姫命(いなだひめのみこと)
  • 須佐之男命が八俣遠呂智から救い出し、妃として迎えた女神。
  • 大己貴命(おおなむちのみこと)
  • 須佐之男命と稲田姫命の子孫(または子)。出雲大社の主祭神「大国主命(おおくにぬしのみこと)」としても知られ、日本神話における「国づくり」の中心的な神様です。

ご利益:

祭神の構成から、特に以下のご利益が篤く信仰されています。

  • 縁結び・恋愛成就・夫婦円満: 須佐之男命と稲田姫命が夫婦神であること、さらに大己貴命が「縁結びの神様」として非常に高名であることから、強力な縁結びのパワースポットとして知られています。
  • 厄除・災難除け: 須佐之男命のご神徳によります。
  • 商売繁盛・国土経営: 大己貴命の「国づくり」のご神徳によります。
  • その他、家内安全、病気平癒、交通安全など、幅広いご神徳をいただけます。

言い伝えと伝説 (Legends and Folklore)

  • 見沼の龍神伝説
    かつて神社の境内は、広大な「見沼(みぬま)」という沼に突き出た岬のような場所にありました。この見沼には龍神(あるいは蛇神)が棲むと古くから信じられており、人々は水神として畏敬の念を抱いていました。現在も境内にある「蛇の池」は神社の発祥の地とも言われ、聖なる水が湧き出る場所とされています。また、朱色の橋がかかる「神池」も、この見沼の名残の一つです。
  • アラハバキ神の謎
    本殿の東側にある摂社「門客人神社(もんきゃくじんじゃ)」には、氷川神社がこの地に鎮座する以前から祀られていたとされる地主神「アラハバキ神」が祀られています。その正体は縄文時代の神とも、出雲から先に移住した一族の神とも言われる謎多き神であり、本殿参拝後には必ず訪れるべき境内でも特に重要な場所とされています。

見どころと境内案内 (Highlights and Precinct Guide)

  • 氷川参道
    さいたま新都心駅近くの「一の鳥居」から、神社の「三の鳥居」まで続く、約2kmの直線参道。ケヤキを中心に約600本以上の樹木が立ち並ぶ姿は圧巻で、日本一長い参道と言われています。四季折々の美しい景色を楽しみながら、心を整えて参拝に向かうことができます。
  • 二の鳥居
    高さ13mを誇る朱塗りの大鳥居。この鳥居をくぐると、より一層神聖な空気が漂い始めます。
  • 神池と神橋
    見沼の名残である神池にかかる朱塗りの太鼓橋(神橋)。水面に映る楼門の姿が美しく、絶好の写真スポットです。
  • 楼門(ろうもん)
    神橋を渡ると現れる壮麗な門。この門をくぐり、拝殿へと進みます。
  • 拝殿・本殿
    現在の社殿は昭和15年(1940年)に造営されたもので、荘厳な雰囲気の中で参拝を行います。
  • 摂社・末社
    境内には門客人神社(前述)のほか、商売繁盛の「稲荷神社」、学問の神様・菅原道真公を祀る「天満神社」など、多くの摂社・末社が鎮座しています。併せてお参りすることで、より深いご利益をいただけると言われています。
  • 夫婦楠(めおとぐすのき)
    拝殿の近くに立つ2本のクスノキの御神木。寄り添うように立つ姿から、縁結び・夫婦円満の象徴とされています。
  • 御朱印・お守り
    参拝の証として、武蔵一宮の格式ある御朱印をいただけます。縁結びをはじめ、厄除けや健康長寿など、様々なお守りも人気です。

アクセス情報 (Access Information)

  • 住所: 〒330-0803 埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-407
  • 公共交通機関:
    • JR各線「大宮駅」東口より徒歩約15~20分
    • 東武アーバンパークライン(野田線)「北大宮駅」より徒歩約10分
  • 車でのアクセス:
    • 首都高速埼玉新都心線「さいたま新都心西I.C」より約15分
    • 東北自動車道「岩槻I.C」より約20分
  • 駐車場:
    • 有り(第一・第二・西駐車場、合計 約180台)
    • 第一駐車場 (Times運営): 約40台。24時間。40分まで無料、以降有料。
    • 西駐車場: 約120台。7:00~18:00(無料)。
    • ご注意: 正月期間(1月1日~3日)や12月10日の大湯祭(十日市)期間は、駐車場が全面閉鎖されます。大変混雑するため、公共交通機関のご利用を強く推奨します。

周辺の観光・食事処 (Nearby Attractions and Dining)

  1. 大宮公園
    氷川神社に隣接する広大な県営公園。日本さくら名所100選にも選ばれる桜の名所であるほか、「埼玉県立歴史と民俗の博物館」や無料の「大宮公園小動物園」があり、家族連れにも最適です。
  2. さいたま市大宮盆栽美術館大宮盆栽村
    世界的に有名な「BONSAI」の聖地。海外からも多くの愛好家が訪れる場所で、精緻で奥深い盆栽芸術の世界に触れることができます。
  3. 氷川だんご屋
    氷川参道(二の鳥居近く)にある昔ながらのだんご屋。参拝客に長年愛される、香ばしい焼きだんごや酒まんじゅうが人気です。
  4. Bibli(ビブリ)
    参道沿いに近年オープンした複合施設。こだわりのベーカリーやオーガニック野菜を扱う八百屋などが入居し、地元の人々にも人気の新しいランドマークです。
  5. 氷川参道のカフェ・レストラン
    約2kmの参道沿いには、古民家を改装したお洒落なカフェ(例:いやしろ~大宮氷川参道カフェ~)や、本格的なイタリアンレストラン(例:Pizzeria Ciccio)が点在しており、参拝後の休憩や食事に困りません。

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