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美保神社(Miho Jinja)

えびす様の総本宮!歴史、ご利益、見どころ、アクセスを徹底解説

島根県・島根半島の東端、風光明媚な美保関(みほのせき)に鎮座する美保神社。ここは、全国に約3,385社ある「えびす様」を祀る神社の総本宮として、篤い信仰を集める場所です。

主祭神として、商売繁盛・大漁満足の神「事代主神(ことしろぬしのかみ)=えびす様」と、五穀豊穣・夫婦和合の神「三穂津姫命(みほつひめのみこと)」の二柱をお祀りしています。本殿は二柱の神様それぞれに社殿が並ぶ「美保造(みほづくり)」という非常に珍しい建築様式で、国の重要文化財に指定されています。

商売や事業をされている方はもちろん、良縁や家庭円満を願う方、そして出雲神話の舞台を訪れたい歴史ファンにも深くおすすめしたい、日本有数のパワースポットです。

歴史と由緒 (History and Origins)

美保神社の創建は極めて古く、具体的な年代は不詳ですが、8世紀に編纂された『出雲国風土記』に「美保社」としてその名が記されていることから、少なくとも1,300年以上の歴史を持つ古社であることがわかります。

神話の時代、大国主命(おおくにぬしのみこと)が国を天照大御神(あまてらすおおみかみ)に譲るかどうか(国譲り)を決める際、御子である事代主神に意見を求めました。事代主神は「承知した」と答え、海中に船を隠して(青柴垣に隠れて)お鎮まりになりました。この「国譲り神話」の舞台こそが、この美保関であると伝えられています。

中世以降は海上交通の要所として栄え、海上安全や商売繁盛を願う人々からの信仰を集めました。江戸時代には、出雲大社と美保神社を両方参拝する「両参り」が盛んに行われ、現在も「出雲大社だけでは片参り」と言われる風習が残っています。

現在の荘厳な社殿は、1813年(文化10年)に再建されたもので、その建築美も大きな見どころの一つです。

祀られている神様(祭神) (Enshrined Deities - Saijin)

美保神社は、二柱の主祭神をそれぞれの本殿にお祀りしています。

左御殿(向かって左):事代主神(ことしろぬしのかみ)

  • 神格・ご利益: 一般に「えびす様」として知られる神様です。大国主命の御子神であり、商売繁盛、大漁満足、海上安全、交通安全、学業成就の神徳(ご利益)で知られています。
  • 国譲り神話での役割のほか、釣りがお好きだったことから、釣り人や海運関係者からの信仰も篤いです。

右御殿(向かって右):三穂津姫命(みほつひめのみこと)

  • 神格・ご利益: 大国主命の后神(奥様)の一柱です。「美保」という地名も、この姫の名に由来するとされます。
  • 農業の神様である高御産巣日神(たかみむすびのかみ)の御女であることから、五穀豊穣、安産、夫婦和合、子孫繁栄の神徳で知られています。

言い伝えと伝説 (Legends and Folklore)

美保神社に伝わる最も有名な伝説は、前述の「国譲り神話」です。

事代主神が、父・大国主命の代わりに国譲りの承諾を伝えた後、乗っていた船を青い柴(しば)の垣根に変えて、その中にお隠れになったとされます。

この神話を今に再現するのが、毎年4月7日に行われる特殊神事「青柴垣神事(あおふしがきしんじ)」です。二隻の船を合わせ、青柴垣を立てて神様(の御霊)をお乗せし、海を巡幸する壮麗な神事で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。この神事は、日本最古の船神事とも言われ、一見の価値があります。

また、えびす様は音楽にもゆかりが深い神様とされ、神社には多くの「鳴物(楽器)」が奉納されており、その一部は国の重要文化財に指定されています。

見どころと境内案内 (Highlights and Precinct Guide)

  • 本殿(重要文化財):
    最大の見どころは、国の重要文化財に指定されている本殿です。二柱の神様を祀るため、二つの社殿(御殿)が左右に並び、それを装飾の渡り廊下で繋いだ「美保造(みほづくり)」または「比翼入母屋造(ひよくいりもやづくり)」と呼ばれる極めて珍しい建築様式です。檜皮葺(ひわだぶき)の屋根が重なる様は、荘厳かつ優美です。
  • 拝殿:
    本殿の手前にある拝殿は、壁がなく柱だけで構成された「吹き放ち」の造りで、まるで船庫を思わせるような広々とした空間です。ここでは毎朝8時半と毎日夕方(季節により変動)に、神職による「朝御饌(あさみけ)・夕御饌(ゆうみけ)」と呼ばれるお供えの神事が、雅楽の音色とともに行われます。参拝者は自由に見学・参列が可能です。
  • 神門(楼門):
    境内への入り口となる美しい門です。ここから拝殿、そしてその奥に鎮座する本殿を望むことができます。
  • 御朱印・お守り:
    社務所では、美保神社の御朱印をいただけます。また、えびす様の総本宮ならではの商売繁盛や海上安全のお守り、美しい三穂津姫命にちなんだ縁結びのお守りなどが豊富に揃っています。
  • 奉納された楽器:
    拝殿の梁(はり)などには、信仰の証として奉納された様々な楽器が掲げられています。

アクセス情報 (Access Information)

住所:
〒690-1501 島根県松江市美保関町美保関608

公共交通機関

  • JR松江駅から: 一畑バス「美保関ターミナル行き」に乗車(約60分)、「美保関ターミナル」で美保関町民バス(美保関線)に乗り換え(約20分)、「美保神社」バス停下車すぐ。
  • JR境港駅から: (土日祝のみ運行)JR境港駅前から「美保関・境港シャトルバス」に乗車(約30分)、「美保神社」バス停下車。
  • ※バスの便数は限られているため、事前に時刻表をご確認ください。

車でのアクセス

  • 米子自動車道「米子IC」から約40分。
  • 山陰自動車道「米子西IC」から約30分。
  • 駐車場: あり(無料、約100台)

周辺の観光・食事処 (Nearby Attractions and Dining)

美保神社を参拝した後は、歴史情緒あふれる美保関の町並み散策がおすすめです。

  1. 青石畳通り(あおいしだたみどおり)
    神社の目の前から続く、江戸時代から続く風情ある石畳の道。雨に濡れると石畳が青く輝くことからこの名で呼ばれ、国の「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」にも選ばれています。
  2. 美保関灯台
    島根半島の最東端、地蔵崎の先端に立つ白亜の灯台。「世界の灯台100選」にも選ばれた美しい石造りの灯台で、晴れた日には隠岐諸島や鳥取県の大山(だいせん)まで見渡せる絶景スポットです。
  3. 仏谷寺(ぶっこくじ)
    美保関で最も古いとされる古刹。美しい庭園や、重要文化財の仏像を拝観できます。
  4. 美保関の海鮮料理
    美保関港は日本海有数の漁港です。周辺の旅館や食事処では、新鮮なイカやカニ(季節による)、ノドグロなど、絶品の海鮮料理を味わうことができます。
  5. 常夜燈(じょうやとう)
    港の入口に残る江戸時代の常夜燈。当時の面影を今に伝えています。

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