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 賀茂神社(Kamo Jinja)

馬の聖地と導きの神、歴史、ご利益、アクセスを徹底解説

滋賀県近江八幡市に鎮座する賀茂神社(かもじんじゃ)は、別名「御猟野乃杜(みかりののもり)賀茂神社」とも呼ばれる、約1300年の歴史を持つ古社です。

この地はかつて、天智天皇の時代に馬を育てるための広大な牧場(御猟野)であり、神社は奈良時代に聖武天皇の勅命により、学者であり陰陽家でもあった吉備真備(きびのまきび)が、日本の災いを封じるために創建したと伝えられています。

全国でも珍しい古式の競馬(くらべうま)神事「足伏走馬(あしふせそうめ)」が今に伝わることから「馬の聖地」として競馬ファンや乗馬関係者からの信仰が篤いほか、御祭神である八咫烏(やたがらす)の神話から「導きの神」として、交通安全や人生の岐路における開運・厄除けのご利益でも知られています。

日本の歴史において重要な役割を担ってきた聖地で、心静かにご自身の進むべき道とご縁を祈願したい方におすすめの神社です。

歴史と由緒 (History and Origins)

賀茂神社の創建は、奈良時代の天平8年(736年)に遡ります。

当時、国内で疫病や天変地異が相次いだため、聖武天皇はこれを鎮めるため、高僧・行基や学者・吉備真備に命じ、国家鎮護の地を選定させました。吉備真備は陰陽道に基づき、日本の「気」が集まる聖地としてこの近江の地(当時の蒲生野)を選び、都(平城京)の鬼門(北東)を守るために社殿を建立したのが始まりとされています。

それ以前の飛鳥時代、天智天皇が大津京へ遷都した際、この一帯は広大な皇室の牧場「御猟野(みかりのの)」でした。神社が創建されてからは、この牧場の守護神、そして馬の守護神として篤く信仰されるようになりました。

南北朝時代に建てられたとされる楼門(重要文化財)は、織田信長による焼き討ちの際、氏子たちが門を解体して地中に埋めて守ったという逸話が残り、今も荘厳な姿で参拝者を迎えています。

祀られている神様(祭神) (Enshrined Deities – Saijin)

賀茂神社には、京都の賀茂神社(上賀茂・下鴨)と同じ御祭神がお祀りされています。

  • 賀茂建角身命(かもたけつのみのみこと)
    日本神話において、神武天皇が東征の際に道に迷われたとき、「八咫烏(やたがらす)」に化身して熊野から大和へとお導きした神様です。この神話から「導きの神」「交通安全」「厄除け開運」の神として信仰されています。
  • 賀茂玉依比賣命(かもたまよりひめのみこと)
    賀茂建角身命の娘。丹塗りの矢(=火雷命)が流れ着き、それによって御子(賀茂別雷命)を身ごもったという神話から、「縁結び」「子授け」「安産」の神様として知られます。
  • 賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)
    賀茂玉依比賣命の御子で、「雷(いかづち)」の神威を以てあらゆる厄災を祓う神様です。「厄除け」「農産業守護」「商売繁盛」のご利益があります。

言い伝えと伝説 (Legends and Folklore)

最も有名なのが「足伏走馬(あしふせそうめ)」神事です。

これは毎年5月(5月6日以降の第1日曜日)に行われる例祭で、「競馬(くらべうま)」の神事としては日本で最も古い形式を今に伝えています。

一般的な競馬とは異なり、2頭の馬が勝敗を競うのではなく、馬の走り方や騎手の姿、足音などを宮司が見て、その年の農作物の豊凶や世の中の吉凶を占う神事です。平安時代の装束をまとった騎手が馬を走らせる姿は圧巻で、この神事を見るために全国から多くの人が訪れます。

この神事の起源は、この地が牧場であったこと、そして馬を神様の乗り物(神馬)として奉納し、神様の御心を占ったことに由来します。

見どころと境内案内 (Highlights and Precinct Guide)

  • 楼門(重要文化財)
    南北朝時代の建築様式を今に伝える、三間一戸の荘厳な楼門。前述の通り、信長の焼き討ちから氏子によって守られた歴史を持ちます。
  • 本殿(滋賀県指定文化財)
    御祭神三柱が祀られる三殿が並び立つ、流造(ながれづくり)の美しい社殿です。
  • 馬の聖地ならではの見どころ
    境内には馬の銅像(神馬像)や、競馬神事をモチーフにした絵馬、お守りが多数あります。「馬蹄(ばてい)お守り」や「蹄鉄(ていてつ)お守り」は、競馬ファンや乗馬をされる方はもちろん「幸運を呼び込む」「交通安全」のお守りとして人気です。
  • 産霊社(むすびのやしろ)
    縁結び・安産の神である賀茂玉依比賣命にちなんだお社。2本の木が根元で一つに結ばれた御神木「連理眞榊(れんりのまさかき)」があり、良縁を願う参拝者が多く訪れます。
  • 縄文の祈祷殿
    近年新しく建てられた祈祷殿は、縄文時代の住居(竪穴式住居)を模した造りになっています。これは、この地が古くからの聖地であったことを示しており、太古の祈りの形を体感できる空間となっています。

アクセス情報 (Access Information)

住所:〒523-0058 滋賀県近江八幡市加茂町1691

公共交通機関:

  • JR琵琶湖線 「近江八幡駅」下車
  • 北口バス乗り場から近江鉄道バス(長命寺線、または国民休暇村線)に乗車(約10~15分)
  • 加茂東」バス停下車、徒歩約5分

車でのアクセス:

  • 名神高速道路「竜王IC」より約15分

駐車場:

  • あり(無料)
  • 普通車 約30台、大型バス 10台

周辺の観光・食事処 (Nearby Attractions and Dining)

  1. 八幡堀(はちまんぼり)
    豊臣秀次が築いた城下町の堀で、時代劇のロケ地としても有名です。水郷めぐりの和船に乗ったり、堀沿いの白壁の土蔵や町家が並ぶ美しい景観を散策したりできます。
  2. ラ コリーナ近江八幡
    「たねや」「クラブハリエ」が手がけるフラッグシップ店。広大な敷地にカフェやショップが点在し、自然と融合した独特の建築も見どころです。
  3. 近江八幡(旧市街)
    八幡堀周辺には、古い町並みを活かしたカフェや、「近江牛」を味わえるレストラン、地元の特産品を扱う店が点在しています。
  4. シャーレ水ヶ浜
    琵琶湖畔にある人気のカフェ。湖に面したテラス席からの眺めが抜群で、ドライブの休憩に最適です。
  5. 長命寺
    西国三十三所の一つ。琵琶湖を見下ろす高台にあり、長い石段を登った先からの絶景で知られます。

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