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二見興玉神社(Futamiokitama Jinja)
二見興玉神社(夫婦岩)完全ガイド:お伊勢参りの「禊」の地。歴史、祭神、ご利益、アクセスを徹底解説
三重県伊勢市、伊勢湾に面した風光明媚な地に鎮座する二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)。古来より、伊勢神宮(神宮)へ参拝する人々がまず訪れ、潮風と海水で心身の穢れ(けがれ)を清める「浜参宮(はまさんぐう)」の場として知られる、非常に重要な神社です。
神社の象徴である大小二つの岩がしめ縄で結ばれた「夫婦岩(めおといわ)」は、縁結びや夫婦円満のシンボルとしてあまりにも有名ですが、その本質はさらに深い信仰にあります。
この記事では、お伊勢参りの「始まりの場所」とも言える二見興玉神社の奥深い歴史、祀られる神々、ご利益、そして「夫婦岩」の本当の意味を、専門家の視点で詳しく解説します。
歴史と由緒 (History and Origins)
二見興玉神社の歴史は非常に古く、その起源は神話の時代に遡ります。伝説によれば、皇室の祖先である倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大御神を祀る地を求めてこの地を訪れた際、あまりの景色の美しさに二度も振り返ったことから「二見」の地名が生まれたと伝えられています。
古来、人々は伊勢神宮への参拝(「お伊勢参り」)に先立ち、この二見浦の清らかな海水で身を清める「禊(みそぎ)」を行ってきました。これが「浜参宮」と呼ばれる習わしです。
江戸時代には「お伊勢参りは二見から」という伝統が確立し、参拝者はまず二見興玉神社で「禊祓(みそぎはらえ)」を受け、心身を清浄にしてから神宮(外宮、内宮の順)へ向かうのが正式な参拝順序とされてきました。現代でも、この伝統に倣い、旅の安全と神宮参拝の成就を祈願するために、多くの人が伊勢神宮参拝の第一歩としてこの地を訪れます。
祀られている神様(祭神) (Enshrined Deities – Saijin)
二見興玉神社には、日本の神話において非常に重要な二柱の神様が祀られています。
- 主祭神: 猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)
天孫降臨(天照大御神の孫が地上に降り立つ)の際、高天原(天界)と地上を結ぶ道案内をしたことから、「みちひらきの神」として篤く信仰されています。物事を最も良い方向へ導く神様であり、交通安全、開運招福、事業繁栄、芸能上達など、あらゆる「道」を開き、導いてくださるご利益があるとされます。 - 相殿神: 宇迦御魂大神(うかのみたまのおおかみ)
一般的に「お稲荷さん」として知られる食物・穀物の神様です。商売繁盛、五穀豊穣、家内安全のご利益があるとされています。
言い伝えと伝説 (Legends and Folklore)
二見興玉神社にまつわる最も有名な存在が「夫婦岩」と「カエル」です。
- 夫婦岩と興玉神石(おきたましんせき)
多くの人が「夫婦岩」そのものがご神体だと思いがちですが、信仰上、さらに重要な存在がその沖合約700メートル先に沈む「興玉神石」です。この霊石は、猿田彦大神が降り立った「聖なる岩」であり、神々が常世の国(神の国)から寄り付く場所とされています。
「夫婦岩」は、この興玉神石と、太陽(日の大神)を遥拝(ようはい=遠くから拝むこと)するための「鳥居」の役割を果たしているのです。二つの岩を繋ぐ大注連縄(おおしめなわ)は、その聖域との結界を示しています。 - 神の使い「二見蛙(ふたみかえる)」
境内を歩くと、至る所にカエルの像が奉納されていることに気づくでしょう。これは、猿田彦大神の使いが「カエル(蛙)」とされているためです。
また、「無事にかえる」「貸したものがかえる」「若かえる」といった吉兆の語呂合わせから、参拝者は旅の安全や失せ物、若返りなどを祈願してカエルの像を撫でたり、奉納したりするようになりました。
見どころと境内案内 (Highlights and Precinct Guide)
二見興玉神社の境内は海に面しており、潮の香りと波の音を感じながら参拝できます。
- 夫婦岩(めおといわ)
海中から突き出た二つの岩。大きい方が男岩(高さ9m)、小さい方が女岩(高さ4m)です。二つの岩を結ぶ大注連縄は、長さ35m、重さ40kgにもなり、年に3回(5月、9月、12月)の「大注連縄張神事(おおしめなわはりしんじ)」で張り替えられます。 - 夫婦岩の間からの日の出
5月から7月にかけて(特に夏至の頃)は、夫婦岩のちょうど真ん中から昇る荘厳な日の出を拝むことができます。天気が良ければ、その先に富士山を望むこともあり、この神秘的な光景を求めて多くの写真家や参拝者が早朝から集まります。 - 竜宮社(りゅうぐうしゃ)
参道から少し山側に入った場所に鎮座する社。海の神である「綿津見大神(わたつみのおおかみ)」を祀ります。古くは水害(津波)の後に龍神を祀ったという歴史があり、海の安全や豊漁を祈願します。 - 天の岩屋(あまのいわや)
参道の途中にある洞窟。神話において天照大御神がお隠れになった「天の岩屋」伝説がこの地にも残っています。 - 満願蛙(まんがんかえる)
手水舎(てみずしゃ)の近くにある、水をかけると願いが叶うとされるカエルの像。多くの人に撫でられ、光り輝いています。 - 御朱印とお守り
社務所では、夫婦岩が描かれた御朱印や、みちひらきのお守り、縁結びのお守り、無事かえるのお守りなどを受けることができます。
アクセス情報 (Access Information)
- 住所: 〒519-0602 三重県伊勢市二見町江575
- 公共交通機関:
電車: JR参宮線「二見浦駅」下車、徒歩約15分。
バス: JR・近鉄「伊勢市駅」前または近鉄「宇治山田駅」前から、三重交通バス「鳥羽バスセンター」行き、または伊勢二見鳥羽周遊バス「CANばす」に乗車(約20分)。「夫婦岩東口」バス停下車、徒歩約5分。
- 車でのアクセス:
伊勢自動車道「伊勢IC」から約10分。
伊勢・二見・鳥羽ライン「二見JCT」から約3分。
- 駐車場:
無料駐車場あり。神社最寄りの「二見浦公園駐車場」(約30台)や「神社参集殿駐車場」(約15台)が便利ですが、満車の場合は近隣の「二見総合駐車場」(約220台)などの公共駐車場をご利用ください。
周辺の観光・食事処
二見興玉神社の参拝後は、門前の魅力的なスポットにもぜひお立ち寄りください。
- 伊勢夫婦岩めおと横丁
神社に隣接する屋内型のお土産・グルメ施設。「赤福」の二見支店(赤福ぜんざいも人気)や、伊勢うどん、手こね寿司、松阪牛串などを味わえるほか、伊勢志摩のお土産が豊富に揃います。 - 伊勢シーパラダイス(旧 二見シーパラダイス)
「めおと横丁」と直結している水族館。セイウチやトドとの「ふれあい」が有名で、家族連れやカップルに人気です。 - 賓日館(ひんじつかん)
明治時代に皇族や要人のための宿泊施設として建てられた、国の重要文化財。豪華絢爛な桃山様式を取り入れた和風建築は一見の価値ありです。(※二見興玉神社から徒歩圏内) - 伊勢神宮(外宮・内宮)
二見興玉神社で「浜参宮」を済ませたら、いよいよ神宮へ。二見から伊勢神宮(外宮)までは車で約15分程度です。古来の習わしに倣い、外宮→内宮の順で参拝するのがおすすめです。 - おかげ横丁・おはらい町(内宮前)
伊勢神宮・内宮の門前町。江戸時代の町並みを再現したエリアで、伊勢の名物グルメ(赤福本店、伊勢うどん、てこね寿司など)の食べ歩きや、お土産探しが楽しめます。



