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上野恩賜公園(Uenoonshi Park)
日本最初の公園として150年以上の歴史を刻んできた、東京を代表する文化の聖地
上野恩賜公園は、1873年(明治6年)に日本で初めて公園として指定されました。もともとは江戸時代、徳川将軍家の菩提寺である「寛永寺(かんえいじ)」の境内地でしたが、明治維新を経て、大正時代に宮内省から東京市へと下賜(恩賜)されたことからその名がつきました。
約53ヘクタールという広大な敷地内には、日本最古の動物園や、日本で唯一の世界遺産の美術館、江戸時代の重要文化財などが点在しています。
一歩足を踏み入れれば、都会の真ん中とは思えない豊かな緑と、静謐な芸術の香りに包まれることでしょう。
アートの殿堂:世界遺産と国内屈指の展示
国立西洋美術館(世界遺産)
2016年に世界文化遺産に登録された、近代建築の巨匠ル・コルビュジエ設計の本館。建物そのものが芸術作品であり、中庭にはロダンの『考える人』や『地獄の門』が展示されています。モネの『睡蓮』をはじめとする松方コレクションなど、西洋美術の真髄に触れることができます。
東京国立博物館
「トーハク」の愛称で親しまれる、日本最古かつ最大の博物館です。本館、表慶館、東洋館、平成館、法隆寺宝物館の5つの展示館からなり、国宝・重要文化財の宝庫。歴史の重みを感じさせる帝冠様式の建築美も見どころです。
東京都美術館
「アートの入口」を掲げ、国内外の巨匠を紹介する特別展や公募展が行われる公立美術館。前川國男設計のモダンなレンガ造りの建物は、周囲の緑に見事に溶け込んでいます。
歴史の足跡:江戸の面影を辿る
公園内には、幕末の戦火を免れた貴重な歴史的建造物が今も残っています。
上野東照宮: 徳川家康公を祀る神社。豪華絢爛な「黄金門」や「唐門」は国指定重要文化財です。勝負運や出世運のパワースポットとしても人気。
清水観音堂: 京都の清水寺を模して建てられた舞台造りのお堂。歌川広重の浮世絵にも描かれた「月の松」の奇妙な造形は必見です。
不忍池(しのばずのいけ): 夏には一面を覆い尽くす蓮の花が咲き、冬には渡り鳥が羽を休める都会のオアシス。池の中央にある「弁天堂」は、江戸時代から続く庶民の信仰の場です。
散策の楽しみ:パンダからお洒落なカフェまで
公園歩きの合間に立ち寄りたい、定番&最新スポットも充実しています。
上野動物園
日本で最も歴史のある動物園。やはり一番の人気はジャイアントパンダです。最新の飼育施設「パンダのふるさと」では、パンダたちがのびのびと過ごす様子を観察できます。
パークサイドカフェ・スターバックス
噴水広場に面した「スターバックス コーヒー 上野恩賜公園店」は、公園の景観に配慮したサステナブルなデザイン。テラス席でアートの余韻に浸りながら飲むコーヒーは格別です。
アクセス情報(Access Information)
電車をご利用の場合
JR「上野駅」から:公園口(改札を出てすぐ)から徒歩約1分。
京成線「京成上野駅」から:正面口から徒歩約1分。
東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」から:7番出口より徒歩約2分。
お車をご利用の場合
首都高速1号上野線「上野出口」からすぐ。
※公園周辺の駐車場(上野パーキングなど)は非常に混雑しやすいため、公共交通機関の利用をおすすめします。
周辺の観光スポット
アメヤ横丁(アメ横): JR上野駅から御徒町駅まで続く活気あふれる商店街。グルメや買い物を楽しむ、東京観光の定番です。
国立科学博物館: シロナガスクジラの実物大模型が目印。自然史、科学技術史を体系的に学べる親子連れにも人気のスポット。
旧岩崎邸庭園: 三菱財閥の創始者・岩崎家の本邸。上野公園から徒歩圏内にあり、ジョサイア・コンドル設計の華麗な洋館を堪能できます。
まとめ
上野恩賜公園は、かつての将軍家の祈りの地から、日本を代表する文化・芸術の発信地へと姿を変えてきました。
一日のうちに、1,000年前の仏像を眺め、ル・コルビュジエの近代建築を歩き、不忍池の自然に癒やされる。そんな贅沢な体験ができる場所は、世界中を探してもここ上野にしかありません。
心に潤いが欲しいとき、好奇心を刺激したいとき、ぜひ上野の山を訪れてみてください。そこには、時代を超えて輝き続ける日本の美しさが待っています。


