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吉備津神社(Kibitsu Jinja)

桃太郎伝説の舞台。国宝「吉備津造」の歴史、ご利益、鳴釜神事を徹底解説

岡山県岡山市に鎮座する吉備津神社(きびつじんじゃ)は、古代吉備国を代表する「備中国一宮(びっちゅうのくに いちのみや)」として、絶大な信仰を集めてきた大社です。

この地は、私たちがよく知る「桃太郎」の物語の原点とされる神話が伝わる場所。主祭神である大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)による「温羅(うら)」という鬼の退治伝説が、そのルーツとされています。

最大の見どころは、室町時代に再建された国宝「本殿・拝殿」です。「吉備津造(きびつづくり)」と呼ばれる日本で唯一の建築様式は圧巻の迫力を誇ります。また、釜の鳴る音で吉凶を占う「鳴釜神事(なるかましんじ)」という全国的にも珍しい神事が、今もなお受け継がれています。

歴史ロマンと荘厳な建築美、そして不思議な神事を体験できる吉備津神社は、歴史愛好家、建築ファン、そして開運や厄除けを願うすべての人におすすめしたい、日本の神髄に触れられる聖地です。

歴史と由緒 (History and Origins)

吉備津神社の創建は非常に古く、その正確な年代は定かではありません。社伝によれば、第10代崇神天皇の時代に四道将軍の一人として吉備国に派遣された皇子・大吉備津彦命が、この地を平定し、吉備中山の麓に住まいを構えたことが始まりとされます。

その後、第16代仁徳天皇の時代、天皇が吉備国に行幸した際に、命の功績を称えて社殿を創建・整備したことが、神社の直接的な起源と伝えられています。

平安時代には、朝廷から「備中国一宮」としての高い社格を与えられ、山陽道屈指の大社として武家や庶民の篤い信仰を集めました。

現在の壮麗な社殿(本殿・拝殿)は、応永32年(1425年)、室町幕府3代将軍・足利義満の命により約25年の歳月をかけて再建されたものです。以来、幾度かの修復を経ながらも、その雄姿を約600年にわたり今に伝えています。

祀られている神様(祭神) (Enshrined Deities - Saijin)

主祭神: 大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)

吉備津神社のご祭神は、第7代孝霊天皇の皇子である大吉備津彦命です。

命は、当時この地で人々に恐れられていた「温羅(うら)」という鬼(異国の人物、あるいは製鉄技術を持つ豪族とも)を退治し、吉備国に平和をもたらした英雄神として崇められています。この伝説こそが、犬、猿、雉を従えて鬼退治に向かう「桃太郎」の物語の原型になったと言われています。

国土平定の神であることから、そのご利益は多岐にわたります。

【主なご利益】

  • 開運招福・厄除け
  • 延命長寿・健康祈願
  • 産業守護・商売繁盛
  • 学業成就・芸能上達
  • 安産育児

言い伝えと伝説 (Legends and Folklore)

吉備津神社を語る上で欠かせないのが、主祭神・大吉備津彦命と鬼・温羅の壮絶な戦いの伝説です。

温羅(うら)退治伝説(桃太郎の原点)

昔、吉備の国に「温羅」と呼ばれる百済(くだら)から来たとされる異国の鬼がいました。彼は「鬼ノ城(きのじょう)」に住み、都へ向かう船を襲うなどの悪事を働いていました。

朝廷から派遣された大吉備津彦命は、温羅と激しい戦いを繰り広げます。命が放った矢と温羅が投げた岩が空中でぶつかり合い、命の矢は温羅の左目を射抜きます。温羅は雉(きじ)に姿を変えて逃げますが、命は鷹(たか)になって追いかけます。次に温羅は鯉(こい)になって血吸川(ちすいがわ)に逃げ込みますが、命は鵜(う)に姿を変えてついに温羅を捕らえました。

捕らえられた温羅の首は、吉備津神社の釜殿(かまでん)の釜の下に埋められたとされています。

この伝説が、「桃太郎」という昔話の原型であると広く信じられています。

鳴釜神事(なるかましんじ)の起源

温羅の首は、釜の下に埋められた後も、十数年にわたり唸り声を上げ続けたといいます。ある夜、命の夢に温羅の霊が現れ、「我が妻・阿曽媛(あそひめ)に釜殿の火を焚かせよ。世に吉凶あれば、釜の鳴る音で知らせよう」と告げました。

命がその通りにすると、唸り声は鎮まりました。これが、吉凶を占う「鳴釜神事」の始まりとされています。

見どころと境内案内 (Highlights and Precinct Guide)

吉備津神社の境内は広く、国宝や重要文化財が点在しています。

  • 本殿・拝殿(国宝)
    最大の見どころは、「吉備津造(きびつづくり)」と呼ばれる日本で唯一の建築様式で建てられた本殿と拝殿です。2つの入母屋造(いりもやづくり)の屋根が比翼のように連なる姿(比翼入母屋造)は、圧倒的な存在感と美しさを放っています。内部の広大な空間も見事です。
  • 廻廊(かいろう)(岡山県指定重要文化財)
    本殿から南随神門(みなみずいしんもん)などを結ぶ、全長約360mにも及ぶ壮麗な廻廊。自然の地形に沿って巧みに建てられており、柱が連なる景観は非常にフォトジェニックです。
  • 御竈殿(おかまでん)と鳴釜神事
    温羅の首が埋められたと伝わる場所で、吉凶を占う「鳴釜神事」が行われる神聖な場所です。(※神事の受付は社務所にて。金曜日はお休みの場合あり)
    神職が祝詞を奏上する中、温羅の妻の子孫とされる「阿曽女(あぞめ)」が釜の火を焚き、米を蒸します。この時に釜が「ボーッ」と鳴る音の大小や長短で、願い事の吉凶を占います。その音色は不思議な迫力があり、神秘的な体験ができます。
  • 矢置岩(やきいし)
    大吉備津彦命が温羅との戦いの際に、矢を置いたとされる大きな岩です。伝説の舞台を今に伝えています。
  • 一童社(いちどうしゃ)
    学問、芸能、スポーツの神様(吉備津彦命の幼少の神霊)が祀られています。受験生や芸事の上達を願う人々から篤く信仰されています。
  • 御朱印・お守り
    社務所では、吉備津神社の荘厳な御朱印を拝受できます。また、桃太郎伝説にちなんだ「桃」の形をした可愛らしいお守りや、厄除け、開運のお守りなども人気です。

アクセス情報 (Access Information)

住所:

〒701-1341 岡山県岡山市北区吉備津931

公共交通機関:

  • JR吉備線(愛称:桃太郎線)「吉備津駅」下車、徒歩約10分

車でのアクセス:

  • 山陽自動車道「岡山IC」より約15分
  • 岡山自動車道「岡山総社IC」より約15分

駐車場:

  • 有り(タイムズ吉備津神社駐車場)
  • 料金: 最初の20分間 無料 / 以降60分毎 300円
  • バス: 1回 1,000円
    ※年末年始(12月31日~1月5日など)は特別料金となる場合があります。詳細は現地でご確認ください。

周辺の観光・食事処 (Nearby Attractions and Dining)

吉備津神社が位置する「吉備路(きびじ)」エリアは、古代のロマンあふれる史跡の宝庫です。

  1. 吉備津彦神社(きびつひこじんじゃ)
    吉備津神社からほど近い場所に鎮座する「備前国一宮」。吉備津神社(備中国一宮)と合わせて「両宮(りょうぐう)」詣りをするのもおすすめです。
  2. 備中国分寺(びっちゅうこくぶんじ)
    吉備路のシンボルである美しい五重塔が有名です。のどかな田園風景の中にそびえ立つ姿は、絶好の写真スポットです。
  3. 造山古墳(つくりやまこふん)
    全国第4位の規模を誇る巨大な前方後円墳。古代吉備国の強大な力を今に伝えます。
  4. 吉備のおかげ茶屋
    吉備津神社の参道にあるカフェ・食事処。参拝後の一休みに、うどんやきびだんごなどを楽しめます。
  5. 倉敷美観地区
    少し足を延ばせば、白壁の蔵屋敷と柳並木が美しい倉敷美観地区(車で約30分)も訪れることができます。

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