Description
宗像大社（Munakata Taisha）
「神宿る島」沖ノ島と宗像三女神！交通安全の聖地、歴史、ご利益、アクセスを徹底解説
福岡県宗像市に鎮座する宗像大社（むなかたたいしゃ）は、『古事記』や『日本書紀』にも登場する、日本で最も古い神社の一つです。
全国に約7,000社ある宗像神社、厳島神社、および宗像三女神（むなかたさんじょしん）を祀る神社の総本宮（そうほんぐう）でもあります。
この神社の最大の特徴は、三つの宮（すべてが宗像大社）に三柱の女神様がそれぞれ祀られていることです。
- 沖津宮（おきつみや）: 玄界灘の孤島「沖ノ島」に鎮座
- 中津宮（なかつみや）: 離島・大島（おおしま）に鎮座
- 辺津宮（へつみや）: 本土・田島（たしま）に鎮座（一般的に「宗像大社」と呼ぶ場所）
古くから朝鮮半島や大陸との交流の要衝であったこの地で、海上の安全を守護する「道の神様」として篤く信仰されてきました。現代では「交通安全の神様」として全国にその名を知られています。
平成29年（2017年）には、「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の主要な構成資産として、世界文化遺産に登録されました。
歴史と由緒 (History and Origins)
宗像大社の歴史は、日本神話の時代に遡ります。
天照大御神（あまてらすおおみかみ）と素盞嗚尊（すさのおのみこと）の「誓約（うけい）」によって、三柱の美しい女神（宗像三女神）が誕生しました。
天照大御神は、この三女神に「大陸（朝鮮半島）へと続く海上の道（玄界灘）を守護し、歴代の天皇をお助けし、国民の繁栄をもたらすように」という神勅（しんちょく＝神の命令）を下しました。
この神勅に基づき、三女神がそれぞれの地に降臨し、祀られたのが宗像大社の始まりとされています。
- 沖津宮（沖ノ島）：田心姫神（たごりひめのかみ）
- 中津宮（大島） ：湍津姫神（たぎつひめのかみ）
- 辺津宮（田島） ：市杵島姫神（いちきしまひめのかみ）
特に、沖ノ島は島全体が御神体であり、古代（4世紀～9世紀）には国家的な祭祀（さいし）が行われ、約8万点もの国宝が奉納されました。この島は現在も「女人禁制」「上陸の際は海で禊（みそぎ）を行う」など、厳しい禁忌（タブー）が守られている「神宿る島」です。
祀られている神様（祭神） (Enshrined Deities - Saijin)
- 宗像三女神（むなかたさんじょしん）
- 田心姫神（たごりひめのかみ） – 沖津宮
- 湍津姫神（たぎつひめのかみ） – 中津宮
- 市杵島姫神（いちきしまひめのかみ） – 辺津宮
天照大御神の御子神であり、海の神、交通の神、そして財運の神（市杵島姫神＝弁財天）として知られています。
三女神の御神徳をあわせ、以下のご利益が篤く信仰されています。
- 交通安全（陸・海・空すべて）
- 航海安全、大漁満足
- 商売繁盛、財運上昇
- 縁結び、安産、子育て（三女神とも女神であることから）
言い伝えと伝説 (Legends and Folklore)
【交通安全の聖地】
宗像大社が「交通安全発祥の地」と言われるのには理由があります。
昭和38年（1963年）、戦後のモータリゼーション（車社会化）が進み交通事故が急増していた頃、宗像大社は「道の神様」として、日本で初めて車専用の「交通安全お守り」と「車の御祓い」を始めました。
現在、拝殿の横にある「交通安全祈願殿」は、車ごと入って御祓いを受けられる日本でも珍しい施設となっています。
見どころと境内案内 (Highlights and Precinct Guide)
※以下は、本土にある「辺津宮（へつみや）」の見どころです。
- 本殿・拝殿【重要文化財】
天正6年（1578年）に大宮司・宗像氏貞によって再建された、荘厳な社殿。「宗像造（むなかたづくり）」とも呼ばれる、桃山時代の豪壮な建築様式を今に伝えています。 - 神門（しんもん）
拝殿の正面に立つ、朱塗りの美しい門。 - 高宮祭場（たかみやさいじょう）
辺津宮の背後、森の中にある古代の祭祀場。ここは、三女神の一柱・市杵島姫神が最初に降臨された場所と伝えられ、宗像大社で最も神聖な場所の一つです。拝殿などはなく、自然の木々の中で直接神様に祈りを捧げる、古代の信仰の形（磐座信仰）を体感できます。 - 第二宮・第三宮（だいにのみや・だいさんのみや）
辺津宮の境内には、沖ノ島（沖津宮）と大島（中津宮）の神様を遥拝（ようはい＝遠くから拝む）するためのお社があります。ここにお参りすることで、三女神すべてに参拝したことになるとされています。 - 神宝館（しんぽうかん）
世界遺産・沖ノ島から出土した、約8万点にのぼる国宝（黄金の指輪、三角縁神獣鏡、ペルシャ産ガラス碗など）を収蔵・展示する博物館。古代日本の対外交流の凄まじさを物語る宝物の数々は必見です。（※別途入館料要）
アクセス情報 (Access Information)
住所:〒811-3505 福岡県宗像市田島2331（辺津宮）
公共交通機関:
- JR鹿児島本線
- 「東郷駅（とうごうえき）」下車
- 駅前バス停（東郷駅日の里口）から 西鉄バス「神湊（こうのみなと）波止場」行きに乗車（約12分）
- 「宗像大社前」バス停下車、徒歩すぐ
車でのアクセス:
- 九州自動車道 「若宮IC」または「古賀IC」より約30分
駐車場:
- あり（無料、約500台）
周辺の観光・食事処 (Nearby Attractions and Dining)
- 大島（おおしま）
（辺津宮近くの神湊港からフェリーまたは高速船で約15～25分）
三女神の一柱（湍津姫神）を祀る「中津宮（なかつみや）」が鎮座する島。沖ノ島を遥拝する「沖ノ島遥拝所」や、風車、砲台跡などもあり、レンタサイクルでの島内観光が人気です。 - 鎮国寺（ちんこくじ）
（辺津宮から車で約5分）弘法大師（空海）が創建したとされる真言宗の古刹。四季折々の花が美しい「花の寺」として知られます。 - 道の駅むなかた
（辺津宮から車で約10分）玄界灘で獲れた新鮮な魚介類や、地元の野菜・特産品が揃う、九州でも屈指の人気を誇る道の駅。 - 宮地嶽神社（みやじだけじんじゃ）
（辺津宮から車で約20分）「光の道」（CMで有名になった、参道の先に夕日が沈む光景）で知られる神社。宗像大社と合わせて参拝する人も多いです。
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