Description
大洗磯前神社（Ooaraiisosakimae Jinja）
神磯の鳥居、歴史、ご利益、アクセスを徹底解説
大洗磯前神社（おおあらいいそさきじんじゃ）は、茨城県大洗町の太平洋を見晴らす丘の上に鎮座する、由緒ある神社です。古くから家内安全、商売繁盛、病気平癒の神様として信仰を集めてきました。
この神社の名を国内外に知らしめているのが、荒波が打ち寄せる岩礁に立つ「神磯（かみいそ）の鳥居」です。特に日の出の時間は、鳥居越しに昇る朝日が海面を照らし、息をのむほど神々しい絶景を生み出します。
江戸時代には水戸藩の手厚い保護を受け、徳川光圀（水戸黄門）公によって現在の壮麗な社殿が再興されました。
壮大な海の景色と共に歴史の重みを感じられる大洗磯前神社は、絶景を求める写真愛好家、歴史や神話に興味がある方、そして心静かに平穏を祈願したいすべての人におすすめの聖地です。
歴史と由緒 (History and Origins)
大洗磯前神社の創建は、平安時代の斉衡3年（856年）に遡ります。
『文徳天皇実録（もんとくじつろく）』によれば、この年の12月29日、大洗の海岸（現在の「神磯」）に突如として二柱の神様が降臨されました。里人の前に現れた神々は、「我は名を大己貴命（おおなむちのみこと）、少彦名命（すくなひこなのみこと）という。かつてこの国を造り終え、東の海に去ったが、今再び民を救うためにこの地に戻ってきた」と託宣（お告げ）をされたと伝えられています。
この神託により、国主（国司）がこの地に社殿を建立したのが神社の始まりです。平安時代に編纂された『延喜式神名帳』にも名を連ねる「式内社」として、古くから朝廷や武家の崇敬を集めました。
しかし、中世の戦乱（永禄年間）により社殿は焼失し、神職も途絶えるなど、神社は長きにわたり荒廃してしまいます。
この状況を憂いたのが、江戸時代、水戸藩第2代藩主の徳川光圀公（水戸黄門）です。光圀公は神社の由緒を深く尊び、荒廃した社の再興に着手。現在の本殿、拝殿、随神門などの主要な社殿は、光圀公の意志を継いだ第3代藩主・綱條（つなえだ）公の代、元禄3年（1690年）に完成したものです。
祀られている神様（祭神） (Enshrined Deities - Saijin)
大洗磯前神社には、国造りの神話において重要な役割を果たした二柱の神様が祀られています。
- 主祭神：大己貴命（おおなむちのみこと）
別名、大国主命（おおくにぬしのみこと）として広く知られています。国土を開拓し、国を造り固めた「国造り」の神様です。また、出雲大社のご祭神としても有名で、多くの女神と結ばれた神話から「縁結び」の神様としても篤く信仰されています。
- 主なご利益：
福徳円満、縁結び、商売繁盛、五穀豊穣、家内安全
- 主なご利益：
- 配祀神：少彦名命（すくなひこなのみこと）
大己貴命と共に国造りを行った神様です。小さな体で知恵に優れ、特に「医薬」「酒造」「温泉」の知識を人々に授けたとされます。病気を治す力を持つことから、医薬の神様としての信仰が非常に篤いのが特徴です。
- 主なご利益：
病気平癒、健康長寿、厄除け、知恵授け
- 主なご利益：
この二柱の神様が共に祀られていることから、大洗磯前神社は人々を災厄から守り、豊かな暮らしと健康をもたらす強力なご利益があるとされています。
言い伝えと伝説 (Legends and Folklore)
大洗磯前神社に伝わる最も重要な伝説は、前述の「神磯降臨」の伝説です。
御祭神が降り立たれたとされる岩礁「神磯」は、単なる景勝地ではなく、神様がこの地に再び現れた「聖地」そのもの。この岩礁に鳥居が建てられたのは、ここが神域への入り口、神様の世界（常世）と現実世界（現世）が交わる場所であることを示しています。
荒波が絶え間なく打ち寄せる岩の上に、なぜ神が降り立ったのか。それは、荒ぶる自然の力と、それを鎮めて人々に恵みをもたらす神の力の両方を象INGしており、古来より人々が海と共に生き、海の安全と恵みを祈ってきた信仰の姿を今に伝えています。
見どころと境内案内 (Highlights and Precinct Guide)
大洗磯前神社は、丘の上にある本殿・拝殿エリアと、海岸にある「神磯の鳥居」エリアに分かれています。
- 神磯の鳥居（かみいそのとりい）この神社の象徴であり、最も有名なスポットです。御祭神が降臨された聖なる岩礁に建てられた鳥居で、太平洋の荒波を背景に立つ姿は圧巻です。
特に日の出の時間帯は、鳥居越しに太陽が昇り、海と空が黄金色に染まる光景を見ようと、季節を問わず多くの参拝者や写真家が訪れます。 - 二の鳥居と随神門（ずいしんもん）海岸沿いの大通りに面した「一の鳥居」をくぐり、長い階段を上ると「二の鳥居」があります。ここからが本格的な神域です。二の鳥居を抜けると、立派な随神門が参拝者を迎えます。
- 拝殿（はいでん）徳川光圀公・綱條公によって再興された、元禄期を代表する荘厳な建築。権現造りの様式で、精緻な彫刻が施されています。ここで神様へのご挨拶を行います。
- 本殿（ほんでん）拝殿の奥にあり、御祭神が鎮座する最も神聖な建物です。拝殿と共に茨城県の指定文化財となっています。
- 境内からの眺望丘の上に建つ境内からは、大洗の街並みと広大な太平洋を一望できます。海を見守るように鎮座する神社の立地を実感できるでしょう。
アクセス情報 (Access Information)
住所:〒311-1301 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町6890
公共交通機関:
- 鹿島臨海鉄道大洗鹿島線「大洗駅」よりタクシーで約5分
- 「大洗駅」より 大洗循環バス「海遊号」（アクアワールド・大洗ルートまたは大洗サンビーチルート）に乗車、「大洗磯前神社下」バス停下車、徒歩すぐ。
車でのアクセス:
- 東水戸道路「水戸大洗IC」より約15分
駐車場:
- 無料駐車場完備（第一、第二、第三駐車場あり）※「神磯の鳥居」の日の出をご覧になる場合、鳥居の正面（道路向かい）にも参拝者用駐車場がありますが、台数に限りがあるためご注意ください。
アクセス情報 (Access Information)
大洗磯前神社の参拝後は、海の幸や観光スポットが豊富な大洗の町もぜひお楽しみください。
- アクアワールド茨城県大洗水族館
日本一のサメの飼育種類数を誇る大規模水族館。ダイナミックなイルカ・アシカのショーも人気です。 - 大洗海鮮市場 / 那珂湊おさかな市場
神社から車ですぐの場所にある市場（那珂湊は少し離れます）。新鮮な海の幸をその場で味わえる食堂や、お土産用の海産物が並びます。名物の海鮮丼は必食です。 - 大洗マリンタワー
大洗港のシンボルタワー。地上55mの展望室からは、大洗の街並みや太平洋を一望できます。 - 大洗シーサイドステーション
ショッピングや食事が楽しめる複合商業施設。地元の特産品やアウトレットショップが揃います。 - あんこう鍋（冬期：11月～3月頃）
大洗は「あんこう」の水揚げで有名です。「あん肝」が溶け込んだ濃厚な「どぶ汁」は、冬の大洗を代表する名物グルメです。周辺の多くの旅館や割烹で味わえます。
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