Description
鶴岡八幡宮（Tsurugaoka Hachimangu）
源頼朝公ゆかりの歴史、武家の守護神としてのご利益、壮麗な社殿の見どころ、正確なアクセス方法まで詳しく解説します。
鶴岡八幡宮（つるがおかはちまんぐう）は、神奈川県鎌倉市に鎮座する、武家の古都・鎌倉の象徴ともいえる神社です。1063年に源頼義によって創建されて以来、鎌倉幕府を開いた源頼朝公によって現在の地に移され、武家の守護神、そして国家鎮護の神として篤い信仰を集めてきました。朱塗りの壮麗な社殿が青い空と緑の山々に映える姿は圧巻で、境内には歴史的な建造物や美しい自然が数多く残されています。源氏ゆかりの歴史に触れたい方、必勝祈願や出世開運を願う方、そして古都鎌倉の文化と空気を肌で感じたいすべての人におすすめの場所です。
歴史と由緒 (History and Origins)
鶴岡八幡宮の歴史は、平安時代の康平6年（1063年）に始まります。源氏の棟梁であった源頼義（みなもとのよりよし）が、前九年の役での戦勝を祈願した京都の「石清水八幡宮」を、鎌倉の由比ヶ浜辺に勧請（神様の分霊をお迎えすること）し、「由比若宮（ゆいわかみや）」と称したのが起源です。
その後、治承4年（1180年）、平家を破り鎌倉に入った源頼朝（みなもとのよりとも）は、この由比若宮を現在の地である小林郷北山に遷座しました。これが現在の鶴岡八幡宮です。頼朝は八幡神を源氏の氏神であるだけでなく、武家全体の守護神、さらには鎌倉幕府の宗社（中心となる神社）と位置づけました。
鎌倉幕府の成立と共に、鶴岡八幡宮は政治・文化の中心地として発展。幕府滅亡後も、室町幕府や江戸幕府など、歴代の武家政権から篤い崇敬を受け、修復や寄進が繰り返されてきました。
祀られている神様（祭神） (Enshrined Deities – Saijin)
鶴岡八幡宮の「本宮（上宮）」には、以下の三柱の神様がお祀りされています。これら三柱を総称して「八幡大神（はちまんおおかみ）」と呼ばれます。
- 応神天皇（おうじんてんのう）:
第15代天皇。実在が確実視される最古の天皇の一人とも言われ、八幡神と同一視されています。武運の神、勝利の神として、古くから武家や皇室の崇敬を集めてきました。 - 比売神（ひめがみ）
八幡神の妃、あるいは宗像三女神（むなかたさんじょしん）など諸説ありますが、八幡神を助ける女神とされています。 - 神功皇后（じんぐうこうごう）
応神天皇の母。応神天皇を身ごもりながらも海を渡り、国を平定したという伝説から、安産や子育ての神として信仰されています。
主なご利益
- 必勝祈願・武運長久: 武家の守護神であることから、勝負事全般（スポーツ、受験、商売など）にご利益があるとされます。
- 出世開運: 源頼朝公の開運・出世にあやかります。
- 厄除け・家内安全: 国家鎮護の神としての神格から。
- 安産・子育て: 神功皇后のご神徳から。
言い伝えと伝説 (Legends and Folklore)
鶴岡八幡宮は、源氏三代にわたる歴史の舞台であり、多くのドラマチックな伝説が残されています。
- 静御前の舞（しずかごぜんのまい）
源義経と対立した頼朝は、義経の愛妾であった白拍子（舞の名手）の静御前を捕らえます。頼朝は静御前に鶴岡八幡宮の舞殿で舞うよう命じました。静御前は、頼朝の面前でありながら、義経を慕う歌「しづやしづ しづのおだまき くり返し 昔を今に なすよしもがな」（昔の栄華を今に取り戻したい）と舞い、頼朝を激怒させたと伝えられています。現在の舞殿は、この伝説の舞台として知られています。 - 実朝暗殺と隠れ銀杏
建保7年（1219年）、鎌倉幕府の3代将軍・源実朝（みなもとのさねとも）が、鶴岡八幡宮での右大臣拝賀の儀式を終え、大石段を下りてきたところを、甥の公暁（くぎょう）に襲われ暗殺されました。この時、公暁は大石段の脇にあった大銀杏の木に隠れていたという伝説から、この木は「隠れ銀杏」と呼ばれていました。（この大銀杏は2010年に強風で倒伏しましたが、現在は再生した若木と移植された幹が大切に祀られています。） - 源平池（げんぺいいけ）
境内にある大きな二つの池は、頼朝の妻・北条政子の安産祈願のために作られたとされます。向かって右が「源氏池」、左が「平家池」です。源氏池には島が3つ（「三＝産」で源氏の繁栄）、平家池には島が4つ（「四＝死」で平家の滅亡）を願って作られたという俗説があります。
見どころと境内案内 (Highlights and Precinct Guide)
- 大石段（おおいしだん）と本宮（上宮）
鶴岡八幡宮の象徴的な風景。61段の石段を登りきると、朱塗りが鮮やかな「本宮」が鎮座しています。本宮は国の重要文化財に指定されており、ここから見下ろす鎌倉市街と若宮大路の眺めは絶景です。 - 舞殿（下拝殿）
大石段の手前にある社殿。前述の「静御前の舞」の舞台として有名です。ここでは現在も神前結婚式や奉納舞踊が行われます。 - 若宮（下宮）
本宮（上宮）の御祭神の御子神である仁徳天皇などをお祀りしています。こちらも国の重要文化財です。 - 大銀杏（の跡）
実朝暗殺の伝説の舞台。倒伏した今も、その強靭な生命力で再生したヒコバエ（若木）が力強く育っており、パワースポットとなっています。 - 源平池と太鼓橋
本殿に向かう参道にある池と、美しい反り橋「太鼓橋」（現在は渡れません）。池の周りは四季折々の花々（特に蓮や桜）が美しい憩いの場です。 - 摂社・末社
白旗神社（しらはたじんじゃ）: 源頼朝公と源実朝公をお祀りしています。源氏の旗（白旗）にちなみ、黒塗りの珍しい社殿が特徴。必勝祈願や学業成就のご利益で知られます。
丸山稲荷社（まるやまいなりしゃ）: 鶴岡八幡宮が遷座する以前からこの土地を守っていた地主神とされ、商売繁盛の神様として信仰されています。御朱印とお守り - 御朱印・御守り
御朱印は本宮（上宮）の授与所でいただけます。また、「八幡宮」の「八」の字が二羽の鳩で表されていることにちなみ、鳩をモチーフにした「鳩守」や、鳩の形をしたおみくじ「鳩みくじ」が人気です。
アクセス情報 (Access Information)
住所:〒248-8588 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31
公共交通機関:
- JR横須賀線・湘南新宿ライン「鎌倉駅」東口より 徒歩約10分
- 江ノ島電鉄（江ノ電）「鎌倉駅」より 徒歩約10分
- ※鎌倉駅東口を出て、小町通りまたは表参道の若宮大路（段葛）を通ってアクセスできます。
車でのアクセス:
- 横浜横須賀道路「朝比奈IC」より 約30分（約5km）
駐車場:
- 鶴岡八幡宮 専用駐車場（有料）あり。
- 台数：普通車40台
- 料金：1時間まで600円、以降30分毎300円
- 利用時間：9:00～19:30
※ご祈祷の方は2時間まで無料。
ご注意: 鎌倉市内、特に休日の鶴岡八幡宮周辺は大変混雑します。駐車台数も限られるため、公共交通機関のご利用を強く推奨します。
周辺の観光・食事処 (Nearby Attractions and Dining)
- 小町通り（こまちどおり）
鎌倉駅から鶴岡八幡宮へと続く、鎌倉で最も有名な商店街。食べ歩きグルメ（メンチカツ、お団子、ソフトクリームなど）から、おしゃれなカフェ、鎌倉彫や鳩サブレーなどの土産物店まで、250以上のお店が軒を連ねています。 - 若宮大路・段葛（だんかずら）
鶴岡八幡宮の表参道。中央が一段高くなった歩道「段葛」は、源頼朝が妻・政子の安産を祈願して造らせたと伝えられます。春には桜のトンネルとなり、絶好のお花見スポットです。 - 報国寺（竹の寺）
「竹の庭」で世界的に有名な寺院。美しい竹林の中で抹茶をいただくことができます。 - 建長寺（けんちょうじ）
北鎌倉エリアにある、鎌倉五山第一位の格式高い禅寺。荘厳な三門や美しい庭園が見どころです。 - 鎌倉大仏（高徳院）と長谷寺
鎌倉のもう一つの象徴「鎌倉大仏」や、「あじさい寺」として有名な長谷寺がある長谷エリアへは、鎌倉駅から江ノ電でアクセスできます。
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