Description
東京大神宮（Tokyo Daijingu）
「東京のお伊勢さま」で縁結び祈願。歴史、祭神、ご利益、アクセスを徹底解説
東京都心、飯田橋に鎮座する東京大神宮（とうきょうだいじんぐう）は、「東京のお伊勢さま」として古くから人々に親しまれている格式高い神社です。その始まりは、明治時代に伊勢神宮の神様を東京でも参拝できるようにと創建された「遙拝殿（ようはいでん）」であり、伊勢神宮の御分霊が祀られています。
また、東京大神宮は日本で初めて「神前結婚式」を行った神社としても有名です。このことから、特に「縁結び」のご利益が篤いと全国に知れ渡り、良縁を願う多くの人々が参拝に訪れます。
この記事では、東京大神宮の深い歴史と由緒、祀られている神様とご利益、そして境内の見どころからアクセス方法まで、参拝の前に知っておきたい情報を徹底的に解説します。
歴史と由緒 (History and Origins)
東京大神宮の創建は明治13年（1880年）に遡ります。当時の日本において、伊勢神宮への参拝（お伊勢参り）は人々の生涯の願いでしたが、誰もが気軽に伊勢まで旅をすることはできませんでした。
これを憂慮された明治天皇の思し召しにより、「東京にいながらにして伊勢の神様を参拝できるように」と、伊勢神宮の遙拝殿（遠くから拝むための場所）として、現在の千代田区日比谷に創建されました。当時は「日比谷大神宮」と呼ばれていました。
その後、大正12年（1923年）の関東大震災により社殿が焼失。昭和3年（1928年）に現在の飯田橋の地に移転・再建され、戦後は社名を現在の「東京大神宮」と改め、東京における伊勢神宮の遥拝殿としての役割を今に伝えています。
祀られている神様（祭神） (Enshrined Deities)
東京大神宮には、伊勢神宮（内宮・外宮）の御祭神が祀られています。
天照皇大神（あまてらすすめおおかみ） 伊勢神宮・内宮の御祭神であり、皇室の御祖神、そして私たち日本国民の総氏神とされる、最も尊い神様です。
豊受大神（とようけのおおかみ） 伊勢神宮・外宮の御祭神。農業や諸産業、衣食住の守護神として篤く信仰されています。
さらに、特筆すべきは「結び」の働きを司る**「造化の三神（ぞうかのさんしん）」**も併せて祀られている点です。
天之御中主神（あめのみなかぬしのかみ）
高御産巣日神（たかみむすびのかみ）
神産巣日神（かみむすびのかみ）
これら三柱の神様は、神話において天地万物を創造し、結びつけた根源的な神々です。この「結び」の力こそが、東京大神宮が縁結びの神社と呼ばれる最大の理由です。
上記の五柱の神様に加え
- 倭比賣命（やまとひめのみこと）
を合わせた六柱の神様が祀られています。
【主なご利益】
縁結び、恋愛成就、家内安全、商売繁盛、厄除開運、良縁祈願
言い伝えと伝説 (Legends and Folklore)
東京大神宮を語る上で欠かせないのが、「神前結婚式」発祥の地であるという事実です。
明治33年（1900年）、当時の皇太子殿下（後の大正天皇）と九条節子妃（後の貞明皇后）のご婚儀が、宮中賢所（かしこどころ）の御神前で行われました。これが、日本における皇室の結婚の儀の始まりです。
東京大神宮は、この先例に倣い、翌明治34年（1901年）に一般の人々に向けた「神前結婚式」を創始しました。それまで、日本の結婚式は新郎の自宅で行うのが一般的でしたが、神社で神様に永遠の愛を誓うという厳かで神聖なスタイルは急速に広まり、現代の日本の結婚式のスタンダードとなりました。
この歴史的背景から、東京大神宮は人と人との結びつきを祝福する場所として、特に良縁を願う人々の厚い信仰を集めています。
周辺の観光・食事処 (Nearby Attractions and Dining)
拝殿（はいでん） 伊勢神宮と同じ「神明造（しんめいづくり）」という建築様式が取り入れられており、華美な装飾はありませんが、清浄で荘厳な空気に満ちています。都心にあるとは思えないほどの静けさの中で、心静かに祈りを捧げることができます。
猪の目（いのめ） 拝殿の屋根や金具、門など、境内の随所には「猪の目」と呼ばれるハートの形に似た伝統的な文様が隠されています。これは古来からの魔除け・火除けの印です。「縁結び」の神社でハートの形を見つけることができると、参拝者の間で密かな人気となっています。
飯富稲荷神社（いいとみいなりじんじゃ） 境内にある末社で、衣食住と商売繁盛の神様（稲荷大神）と、土地の守り神（大地主大神）が祀られています。かつて歌舞伎役者の九代目市川團十郎が篤く信仰したことでも知られ、芸能の神様としても信仰されています。
お守り・御朱印 東京大神宮は、お守りの種類が豊富なことでも有名です。特に縁結びの「鈴蘭守り」や「縁結びみくじ」は、良縁を願う女性に大変人気があります。御朱印は、東京大神宮のものと、境内社・飯富稲荷神社のものの2種類を拝受できます。
アクセス情報 (Access Information)
住所: 〒102-0071 東京都千代田区富士見2-4-1
公共交通機関:
JR中央・総武線 「飯田橋駅」西口より徒歩約5分
東京メトロ 有楽町線・南北線 「飯田橋駅」B2a出口より徒歩約5分
東京メトロ 東西線・都営大江戸線 「飯田橋駅」A4出口より徒歩約5分
車でのアクセス:
首都高速5号池袋線「飯田橋IC」または「西神田IC」より約5分
駐車場: 参拝者用の駐車スペース（数台分）がありますが、台数が限られているため、公共交通機関のご利用を強くお勧めします。
周辺の観光・食事処（Nearby sightseeing spots and restaurants）
東京大神宮の参拝後は、風情ある街並みやグルメ、歴史散策はいかがでしょうか。
神楽坂（かぐらざか） 飯田橋駅から続く、石畳の小道や料亭が残る風情ある街並み。ミシュランガイドに掲載されるフレンチレストランから、おしゃれなカフェ、和雑貨店まで、散策が楽しいエリアです。
CANAL CAFE (カナルカフェ) 飯田橋駅のすぐそば、お堀（外濠）沿いにある人気のレストラン＆カフェ。水辺のテラス席で、四季折々の景色を眺めながら食事や休憩ができます。
小石川後楽園（こいしかわこうらくえん） 水戸徳川家の江戸上屋敷の庭園であった場所で、国の特別史跡・特別名勝に指定されています。池を中心とした回遊式築山泉水庭園で、日本の美しい四季を感じられます。
靖国神社（やすくにじんじゃ） 国家のために命を捧げられた方々の御霊を祀る神社。広大な境内には、桜の名所として知られる参道や、日本の近代史を学べる資料館「遊就館」があります。
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