Description
湯島天神(Yushima Tenjin)
学業成就・合格祈願の歴史、ご利益、見どころ、アクセスを徹底解説
東京都文京区の高台に鎮座する「湯島天神(ゆしまてんじん)」(正式名称:湯島天満宮)は、学問の神様・菅原道真(すがわらのみちざね)公を祀る神社として、日本全国にその名を知られています。
特に受験シーズンには、合格を願う多くの受験生やその家族が訪れ、境内が祈願の絵馬で埋め尽くされる光景は、東京の冬の風物詩ともなっています。
しかし、湯島天神のご利益は学問だけではありません。創建時から祀られている「力の神様」による勝運・厄除けのご利益も篤く、また江戸時代から「湯島の白梅」と称される梅の名所でもあります。歴史と文化、そして多くの人々の「願い」が集まる、東京を代表する天満宮です。
歴史と由緒 (History and Origins)
湯島天神の歴史は非常に古く、その創建は5世紀、雄略天皇2年(458年)に遡ると伝えられています。
- 創建(天神様の前の時代): 当初は、日本神話に登場する「力の神」である天之手力雄命(あめのたぢからをのみこと)を祀る神社として創建されました。これが湯島天神の原点であり、「勝運」のご利益の由来となっています。
- 菅原道真公の勧請: 時代は下り、南北朝時代の正平10年(1355年)。この地で疫病が流行した際、住民たちが学問の神様であり、疫病退散の神徳も持つ菅原道真公の御霊をお迎えし、手厚く祀ったところ(勧請)、平和が戻ったとされています。これにより、湯島天神は「天神様」としての性格を強めました。
- 江戸時代の隆盛: 江戸時代に入ると、徳川家康公が江戸城に入府するにあたり湯島天神を篤く崇敬し、社殿の造営などを行いました。また、林羅山(りんらざん)をはじめとする多くの儒学者や文人墨客が参拝し、「学問の府」としての地位を確立。江戸の総鎮守の一つとして、庶民からも「湯島天神」として親しまれました。
祀られている神様(祭神) (Enshrined Deities - Saijin)
湯島天神には、ご創建の経緯から二柱の強力な神様が祀られています。
- 主祭神: 天之手力雄命(あめのたぢからをのみこと)
- 日本神話において、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸(あまのいわと)に隠れた際、その岩戸の扉をこじ開けた「力の神様」です。
- ご利益: 勝運隆昌、スポーツ必勝、厄除開運、事業繁栄など、力強く道を切り開くご利益を授けてくださいます。
- 相殿神: 菅原道真公(すがわらのみちざねこう)
- 平安時代の類まれなる学者・政治家であり、その高い知性から「学問の神様」「天神様」として全国で崇敬されています。
- ご利益: 学業成就、合格祈願、試験突破、知恵、芸能上達など、学問・文化に関するあらゆる願いを聞き入れてくださいます。
言い伝えと伝説 (Legends and Folklore)
- 泉鏡花『婦系図(おんなけいず)』の舞台:
湯島天神は、明治の文豪・泉鏡花(いずみきょうか)の代表作『婦系図』の舞台として、全国的に有名になりました。主人公のお蔦(おつた)と主税(ちから)が、境内で別れを惜しむシーンは非常に有名です。(現在も境内には「お蔦・主税の碑」が建てられています) - 江戸時代からの「迷子石」:
境内には「奇縁氷人石(きえんひょうじんせき)」という石柱があります。これは江戸時代に迷子や尋ね人を探すために使われた「伝言板」のようなものです。「たづぬる方(探す側)」「しらする方(知らせる側)」と彫られており、当時の人々の暮らしと神社の繋がりの深さを今に伝えています。 - 湯島の白梅(うめまつり):
江戸時代から梅の名所として知られ、歌川広重の浮世絵にも描かれました。現在も約300本の梅(特に白梅が多い)が植えられており、毎年2月から3月にかけて「梅まつり」が盛大に開催され、多くの参拝者で賑わいます。
見どころと境内案内 (Highlights and Precinct Guide)
- 銅製鳥居(どうせいとりい) [東京都指定有形文化財]
正面(表鳥居)にある、緑青の美しい鳥居。寛文7年(1667年)に建立されたもので、都内に現存する銅製鳥居としては非常に古い貴重なものです。 - 御本殿(ごほんでん)
現在の御本殿は、平成7年(1995年)に総檜(ひのき)造りで再建されたもので、伝統的な「権現造(ごんげんづくり)」の様式です。荘厳かつ優美な建築美が光ります。 - 撫で牛(なでうし)
菅原道真公と牛は縁が深い(道真公が丑年生まれ、牛が刺客から守った伝説など)ことから、天満宮には必ず牛の像(御神牛)があります。自分の身体の調子が悪い場所と同じ部分を撫でると快癒し、また頭を撫でると知恵を授かると言われ、常に行列ができています。 - 梅園(うめぞの)
境内全体に植えられた梅の木々。特に本殿の裏手や「夫婦坂」の周辺に多く「梅まつり」の時期には、学業成就の祈願と共に、春の訪れを楽しむことができます。 - お守りと御朱印:
「学業成就守」や、五角(合格)の形をした「合格祈願鉛筆」(H P=High Pass の意味も)などが有名です。御朱印は、湯島天満宮の御朱印がいただけます。
アクセス情報 (Access Information)
- 住所:〒113-0034 東京都文京区湯島3-30-1
- 公共交通機関:
- 東京メトロ千代田線: 「湯島」駅 (3番出口) より徒歩約2分
- 東京メトロ銀座線: 「上野広小路」駅 より徒歩約5分
- 都営地下鉄大江戸線: 「上野御徒町」駅 (A4出口) より徒歩約5分
- JR山手線・京浜東北線: 「御徒町」駅 (北口) より徒歩約8分
- 京成電鉄: 「京成上野」駅 より徒歩約10分
- 車でのアクセス:
- 首都高速1号上野線「上野」出口より約5分
- 駐車場:
- 参拝者用の駐車場(無料)があります。(約30台)
- ご注意: 受験シーズン(1月〜3月)や梅まつり期間中、週末、戌の日(安産祈願)は大変混雑し、駐車できない場合や、ご祈祷を受ける方優先となる場合があります。公共交通機関の利用を強く推奨します。
周辺の観光・食事処 (Nearby Attractions and Dining)
- 上野恩賜公園(上野公園): 日本有数の都市公園。東京国立博物館や国立科学博物館、国立西洋美術館、上野動物園など、文化施設が集積しています。
- アメヤ横丁(アメ横): JR御徒町駅から上野駅の高架下を中心に広がる商店街。食品から衣類まで、活気あふれる独特の雰囲気が楽しめます。
- 旧岩崎邸庭園: 三菱財閥の創設者・岩崎家の旧邸宅。明治時代の壮麗な洋館(ジョサイア・コンドル設計)と和館、庭園が見事です(国指定重要文化財)。
- 湯島聖堂: 江戸幕府(徳川綱吉)によって建てられた孔子廟(聖堂)。日本の学校教育発祥の地とされています。
- 神田明神: 湯島天神からも徒歩圏内。江戸の総鎮守として知られ、商売繁盛や縁結びの神様として多くの参拝者が訪れます。


