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世界的建築家SANAAが手掛けた「まるびぃ」の魅力
金沢市民から親しみを込めて「まるびぃ」と呼ばれるこの美術館。まず目を奪われるのは、そのユニークな建築です。
設計を手掛けたのは、プリツカー賞を受賞した世界的な建築家ユニット、SANAA(妹島和世+西沢立衛)。建物には「正面」という概念がなく、円形のガラス壁がぐるりと一周しています。これにより、街と美術館の境界線が曖昧になり、まるで公園を散歩するような感覚でふらりと立ち寄ることができるのです。
館内は「交流ゾーン(無料)」と「展覧会ゾーン(有料)」に分かれており、無料エリアだけでも多くのアート作品に触れることができます。外光が降り注ぐ明るい回廊を歩くだけで、非日常的な浮遊感を味わえることでしょう。
絶対に見逃せない!恒久展示作品たち
金沢21世紀美術館の最大の特徴は、建築と一体化した「恒久展示作品」の数々です。ここでは、特に人気の高い作品をピックアップしてご紹介します。
1. 不思議な感覚に包まれる《スイミング・プール》
SNSやメディアで一度は目にしたことがあるでしょう。レアンドロ・エルリッヒによる《スイミング・プール》は、当館のシンボルとも言える作品です。
一見すると、どこにでもある普通のプール。しかし、水面を覗き込むと、水の中に服を着た人々が歩いているのが見えます。逆に、プールの内部(地下)から上を見上げれば、水越しに空や地上の人々が揺らめいて見えるのです。
地上部分は無料エリア(※混雑時は制限あり)ですが、地下部分は展覧会ゾーン(有料)となります。 水面を境界にして、地上と地下で視線が交錯する不思議な体験。「見る」だけでなく「見られる」ことでも成立するこの作品は、他者との偶然の出会いを楽しませてくれます。
【注意】地下部の入場には事前予約推奨 大人気作品のため、特に週末や連休は地下部への入場待ち時間が発生したり、整理券が必要になったりすることがあります。公式サイトからのWEB事前予約(日時指定)を強くおすすめします。
2. 空を切り取る静寂の部屋《ブルー・プラネット・スカイ》
光の芸術家、ジェームズ・タレルによる《ブルー・プラネット・スカイ》は、一転して静寂に包まれた空間です。
正方形の部屋の天井が正方形に切り取られており、そこから「空」だけが見えます。あえて何もない空間に座り、切り取られた空を見上げていると、雲の流れ、鳥のさえずり、刻々と変化する光の色に気づかされます。
晴れた日の青空はもちろんですが、雨が降る日の情緒や、夕暮れ時のグラデーションも格別です。「タレルの部屋」と呼ばれるこの場所で、日常の喧騒を忘れて空と対話する時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
3. 色彩の迷路《カラー・アクティヴィティ・ハウス》
屋外の芝生エリアに佇む、渦巻き状のガラスのパビリオン。オラファー・エリアソンによる《カラー・アクティヴィティ・ハウス》です。
シアン、マゼンタ、イエローの3色のガラスが組み合わされており、見る場所によって色が重なり合い、景色が全く違った色調に見えます。中心には光源があり、夜になると内側から光を放ち、幻想的なランタンのように浮かび上がります。
アート鑑賞の後は「Fusion21」でランチを
アート鑑賞でお腹が空いたら、館内のカフェレストラン「Fusion21(フュージョン21)」へ。 「美術館で第2の感動」をコンセプトにしたこのレストランでは、加賀野菜をはじめとする地元食材をふんだんに使ったモダンフレンチをビュッフェスタイルやコースで楽しめます。
全面ガラス張りの店内からは、美術館の芝生広場や金沢の街並みを見ることができます。白いパレットのようなお皿に、色とりどりの前菜を並べれば、あなただけの小さなアートの完成です。
無料エリアだけでも十分に楽しい
金沢21世紀美術館は、チケットを買わなくても楽しめるエリアが充実しています。
ラビットチェア:SANAAがデザインした、ウサギの耳のような形をしたキュートな椅子。館内のあちこちに置かれており、人気の撮影スポットです。
アートライブラリー:美術関連の書籍や写真集が自由に閲覧できるスペース。
ミュージアムショップ:ここでしか買えないオリジナルグッズや、センスの良いデザイン小物が揃っています。お土産探しに最適です。
夜になると建物全体がライトアップされ、昼間とは違った近未来的な表情を見せます。夜22時まで(交流ゾーン)開いているため、ディナーの後に散歩がてら訪れるのもおすすめです。
感性を刺激する金沢の旅へ
金沢21世紀美術館は、単に絵画を眺めるだけの場所ではありません。 空間そのものを体験し、光を感じ、他者と交流する。そこにあるのは、新しい発見と驚きです。伝統文化が息づく金沢の街で、最先端のアートに触れるコントラストは、旅の思い出をより色鮮やかなものにしてくれるでしょう。
次の休日は、感性を磨く金沢への旅に出かけてみませんか?
アクセス情報(Access Information)
住所:〒920-8509 石川県金沢市広坂1-2-1
開館時間:
展覧会ゾーン:10:00~18:00(金・土曜は20:00まで)
交流ゾーン:9:00~22:00
※各施設の開館時間は変更になる場合があります。
休館日:
展覧会ゾーン:月曜日(祝日の場合は直後の平日)、年末年始
交流ゾーン:年末年始
入館料:
- 展覧会ゾーン:展覧会により異なる(WEBでの事前予約・購入推奨)
- 交流ゾーン:無料
【交通アクセス】
バス:JR金沢駅バスターミナル 兼六園口(東口)より
3番、6番乗り場よりバスにて約10分「広坂・21世紀美術館」下車すぐ
「城下町金沢周遊バス(右回りルート)」利用で「広坂・21世紀美術館」下車(約20分)
タクシー:JR金沢駅東口から約10分
周辺の観光スポット
金沢21世紀美術館の周辺は、金沢の主要な観光スポットが集中するエリアです。徒歩圏内で様々な文化体験が可能です。
- 兼六園(徒歩約3分)日本三名園の一つ。美術館のすぐ向かいに位置しています。現代アートを楽しんだ後は、江戸時代の代表的な林泉回遊式庭園で、日本の伝統美と四季折々の自然に癒やされてください。
- 鈴木大拙館(徒歩約10分)金沢出身の世界的仏教哲学者・鈴木大拙の考えを伝える場所。「水鏡の庭」など、静寂と禅の精神を感じられる建築は、谷口吉生氏の設計。心を静めたい方におすすめです。
- 金沢城公園(徒歩約5分)加賀藩前田家の居城跡。広大な敷地と、再建された美しい菱櫓や五十間長屋が見どころです。夜間のライトアップも幻想的です。
