

お寺と神社の違いは?参拝の基本作法ガイド
日本の風景を象徴する「お寺」と「神社」。
観光や散策で訪れる機会は多いものの、「実はその違いをよく知らない」「参拝の作法が混ざってしまう」という方は少なくありません。
この記事では、お寺と神社の決定的な違いから、恥をかかない正しい参拝マナーまで、誰にでも分かりやすく解説します。
1. お寺と神社の決定的な違い
最大の違いは、信仰している「宗教」と「祀られている対象」です。
神社(Jinja):日本古来の「神道」
- 宗教: 神道(しんとう)。日本に古くからある土着の宗教です。
- 信仰対象: 「神(カミ)」。
- 山や川などの自然、八百万(やおよろず)の神、偉人や皇室の祖先などが祀られています。
- 特徴: 経典や教えというよりは、「自然崇拝」や「穢れ(けがれ)を祓う」という考え方が中心です。
お寺(Otera):インド発祥の「仏教」
- 宗教: 仏教(ぶっきょう)。インドで生まれ、中国・朝鮮半島を経て日本に伝来しました。
- 信仰対象: 「仏(ホトケ)」。
- 釈迦如来、観音菩薩、不動明王など、悟りを開いた存在が祀られています。
- 特徴: お経を唱え、仏の教えに基づき修行や供養を行う場所です。お墓の多くがお寺にあるのは、先祖供養の役割を担っているためです。
2. 外観で見分けるポイント
建物や入り口を見れば、そこが神社かお寺かは一目で分かります。
入り口の構造
- 神社:鳥居(Torii)
- 神の世界と人間の世界を区切る結界の役割を果たします。
- お寺:山門(Sanmon)
- 大きなお寺では、立派な屋根や扉がついた門が入り口にあります。
魔除けの像
- 神社:狛犬(Komainu)
- 入り口の両脇にいる獅子のような像。稲荷神社では「キツネ」が神の使いとして置かれています。
- お寺:仁王像(Nio-zo)
- 門の左右に立つ、筋肉隆々の守護神。口を「あ」と開けた像と、「ん」と閉じた像が対になっています。
3. これで安心!参拝の基本作法
最も間違いやすいのが「拝礼」の仕方です。特に「手を叩くかどうか」が最大のポイントです。
共通の基本マナー
- 入り口で一礼: 鳥居や山門をくぐる前に軽く一礼します。
- 参道の歩き方:
- 神社: 真ん中(正中)は神様の通り道なので、端を歩きます。
- お寺: 基本的にどこを歩いても問題ありませんが、騒がず静かに進みます。
- 手水舎(Chouzuya)で清める:
- 柄杓(ひしゃく)を使って左手、右手、口、左手、柄杓の柄の順に清めます(※現在は感染症対策で簡略化されている場合もあります)。
【神社】の参拝:二礼二拍手一礼
神様に対し、音を立てて存在を知らせ、感謝を伝えます。
- お賽銭を入れる。
- 鈴があれば鳴らす。
- 二礼(深く2回お辞儀)
- 二拍手(胸の前で2回パンパンと手を叩く)
- 手を合わせて祈る。
- 一礼(深く1回お辞儀)
【お寺】の参拝:合掌一礼(拍手は打たない)
仏様に対し、静かに手を合わせます。
- お賽銭を入れる。
- 鰐口(わにぐち)があれば鳴らす。
- 胸の前で静かに手を合わせる(合掌)。
- 注意: お寺では手を叩きません。
- 一礼(深くお辞儀)。
- 最後に軽く一礼して去る。
4. 違いのまとめ(比較表)
| 特徴 | 神社 (Shrine) | お寺 (Temple) |
| 宗教 | 神道 (Shinto) | 仏教 (Buddhism) |
| 崇拝対象 | 神様 (Kami) | 仏様 (Buddha) |
| 入り口 | 鳥居 (Torii) | 山門 (Sanmon) |
| 守り神 | 狛犬・キツネ | 仁王像 |
| 参拝方法 | 二礼二拍手一礼 (拍手あり) | 合掌 (拍手なし・静かに祈る) |
5. 御朱印(Goshuin)を集める方へ
近年ブームとなっている「御朱印」。参拝の証として頂ける印章です。
基本的には、神社とお寺の御朱印帳を分けるのがマナーとされています。
(※最近は混在していても受け付けてくれる場所が増えていますが、厳格な社寺では断られる場合もあるため、2冊用意しておくと安心です。)
まとめ
- 神社は「神道・鳥居・パンパンと手を叩く」。
- お寺は「仏教・山門・静かに手を合わせる」。
この基本さえ覚えておけば、日本中どこの社寺を訪れても、自信を持って参拝することができます。形式も大切ですが、最も重要なのは「敬う気持ち」です。心静かな時間を楽しんでください。